暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
OVA
〜暗躍と進撃の円舞〜
僕だけがいない家
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には歯を、食べ物には食べ物で対抗することにした。
「残念ですね。せっかくアスナから良いパンケーキの作り方を習ったのに」
「う」
「割と簡単に揺らぎますね」
そこまで言うからにはもう少し頑張ってほしかった期間限定アイス。
しかし、アスナ考案ハチミツ&マーガリンたっぷり悩殺パンケーキ(仮名)の誘惑にざっぱんざっぱん目を泳がせる少女は、それでも辛うじて言い返す。
「ま、まだだ!」
そんな追い詰められた主人公みたいな台詞を吐かなくても。
「チラシにはイチゴ特盛りウルトラジャンボパフェがあるって書いてあったんだよ!名前からしてゴージャス!」
「アイスを食べるという第一目標はどこに……」
「きっと土鍋くらいおっきな器に山になったイチゴが摘まれてるんだよ!」
「土鍋に入ったパフェはもうパフェとして定義できるものなんでしょうか」
まぁ、そんなパフェなら食べるかどうかはさておいて見てみたいものだが。
「というか、アイスなんて地雷じみたものじゃなくて、普通にそれ食べたらいいじゃないですか」
「あ、アイスのついでにパフェ食べるもん!」
どんだけ食べるつもりなんだ、と胃もたれしそうなラインナップにカグラはうんざりした表情を浮かべる。
ちっさい子は無邪気に生クリームの海で泳いでみたいとか言うけどそれ絶対胸やけするよね、と思うのは冷たい現実を知った大人の悲しい面なのだろう、と御年三年かそこらの巫女装束の女性は適当に思う。
「とりあえずこの天気です。アイスうんぬんは置いておいて、普通に外出したくないので今日のところはパンケーキで手を打ってください。そのお店にはまた後日――――レンが帰ってきた後にでも三人で行きましょう」
むー、と唸り続けている少女に言い重ねながら、カグラはキッチンへと向かうためドアを開けた。
レンの所有する
家
(
ホーム
)
―――コンバートの際に譲渡され、現在のシステム的な保有者はカグラだが―――は、
大陸
(
フィールド
)
上空に浮かぶ浮島の上に建築された城だ。小規模なイベントマップのごとき広さは、当然ながら隅々まで手が加えられるほど主の懐は広くない。普段使っている部屋以外の内装はほとんどないと言ってもいいだろう。
そんな中でキッチンは、イグシティにあるアスナとキリトの借家備え付けキッチンに負けずとも劣らずという自負がある。
ALOでの料理というのは、当然素材の良さも出来には関わるのだが、調理器具のレア度などもかなり露骨に反映される。加えてオーブンなどの大きな機材は作れる料理の幅を広めてくれるのだ。
パンケーキと言えば腹も満たせて何だか品の良さそうな名前でありながら、実はそんなに作るのに手間はかからなかったりする。
最高クラスのオーブンや個人的に収
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