第44話 偵察
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と同じように彼女の周囲で謎の障壁に阻まれて、ただの砂となって落下した。
「私の窒素装甲(オフェンスアーマー)には超効きませんよ」
窒素装甲(オフェンスアーマー)
空気中に78%の割合で存在する窒素を自由に操り、攻撃にも防御にも転換できる能力。
主に絹旗は防御に特化しており、360度無意識的に自動防御を行っている。
ただし、能力展開が身体から数センチと極端に狭いので、攻撃をする際には直接殴らなければならない。
サソリフレンダは、指先でチャクラ糸を飛ばしてみるが、やはり女の子の身体との間に障壁が出来て、弾かれていくようだ。
絹旗は、作業が完了したようで間合いを一気に詰めて拳を回転させながら、サソリフレンダの鳩尾を狙い突き出した。
「くっ!?」
サソリフレンダは、腕を前に出して後方へと飛び移る。
「超逃がしません」
後方に飛んだサソリフレンダを向けて、更なる攻撃を仕掛けるために足先に力を込めて間合いを詰めた。
サソリフレンダは、被っていた帽子を手に持つと乱気流している絹旗の拳目掛けて投げ付けた。
帽子は、絹旗の拳に当たると形状維持が出来なくなり、砂粒となった。
一瞬だけ、絹旗の視界が塞がれた。
なるほど、そういう術か......
壁際へと追い詰められたサソリフレンダは、金色の長い髪の隙間から紅い眼を光らせて、絹旗の能力の分析を始めていた。
絹旗は、立ち昇る砂煙に意を介さないように無表情のまま目の前に立っているフレンダの偽物を見据える。
「どんな奴が来るかと思えば......逃げるだけで精一杯の超臆病な奴ですか」
絹旗は拳を構えて演算を行い、乱気流を発生させるとサソリフレンダに向けて打ち出す。
だが、直後にサソリフレンダは印を高速で結び出して、絹旗と同じように拳から乱気流を発生させた。
「!?」
両者が互いに拳をぶつけ合うと、破裂音と共に凄まじい突風が吹き荒れた。
「ど、どういうことですか?私の能力が」
コピーされた!?
突風によりフードが外されて、絹旗の顔に冷や汗が滴り落ちた。
信じられないものでも見るかのようにサソリフレンダを覗き上げる絹旗に、長い金髪をはためかせながらニヤリと笑い掛ける。
「......風遁に近い術のようだな」
悪魔のような両眼には写輪眼が光り、巴紋がクルクルと回りだしている。
絹旗は圧倒的強者が放つ本気の殺気に身震いし、前に進んでいた足を後退させ始めようとする。
しかし身体が縫い付けられたように硬直していき、中心から力が末梢に向けて抜けていった。
「あ......ああ」
絹旗もサソリの幻術に掛かり、能力は解除されてその場に倒れこんだ。
「ふぅ......厄介な術を使う奴がいるな」
サソリフレンダは、頭を下げて呼吸を整える。
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