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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#14
蒼い霹靂 〜BLACK OR WHITE?!〜
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【1】

 ジョセフを欠いた3人で一つのテーブルにつき、
朝食をすませた承太郎とシャナはホリィの笑顔に見送られながら
登校のため空条邸を後にした。
 朝の街路に承太郎のマキシコートのように裾の長いオーダーメイドの学ランと、
シャナの綺麗に糊付けされたセーラー服の裾が翻る。 
 昨日の行動をトレースするように無言。
 朝の風に、麝香と椿油の匂いが混ざって靡いた。
 そしてちらほらと、登校途中の他の生徒が見えだした頃
いきなりシャナが周囲を警戒、否、威圧し始める。
 今はまだ来ないが昨日のように女生徒が大挙して自分達に群がってきたら、
今日はフレイムヘイズ自慢の虹彩を射抜くような鋭い眼光で
追い払ってやろうと考えていた。
(ちょっとでも私たちに近づいたら……()る!)
 そう強く胸に誓いシャナは全神経を研ぎ澄ますと、
周囲360度全てに己の「殺し」を張り巡らせた。
 いつの間にか傍へ居た、雇った覚えのない小さな用心棒の先生の
その有り難い(?)御心には気づかず護られる立場の当人は
道を外れて脇に逸れた。
「おまえ? どこに行くの? 学校はそっちじゃないわ」
 問いかけるシャナに、
「今日は気が乗らねぇ、フケるぜ」
と短く承太郎は告げ、潰れた学生鞄を脇に抱えズボンのポケットに
片手を突っ込んだまま正反対の方向へ行ってしまった。
「もう!」
 自分の行為が徒労に終わった事に苛立ったシャナは
すぐに地面を蹴ってその後を追う。
「おい? 何付いてきてんだ? 「不良」でもないのにサボってるんじゃあないぜ」
 残像を映して追いついてきたシャナに承太郎は視線を合わせず言う。
「うるさいうるさいうるさい。何の為に私がおまえの傍にいるのか忘れたのッ!」
 そう言ってシャナは再び承太郎の隣についた。
(むう。此奴(こやつ)、昨日の「あの事」を気に掛けているのか。
自分が接触する事で「あの娘」の「記憶」が戻る事を……
確かに強引な記憶の操作だった故、その可能性は無きにしも在らずだな)
 シャナの胸元で揺れるアラストールは小さくそう呟いた。
 再び互いに無言のまま10分ほど歩き、見えてきた自然公園のベンチに
承太郎は腰を降ろす。シャナも必然的にそれに習った。
 承太郎は広いベンチにゆったりと背を預け、両腕を大きく広げて凭れかかった。
 その躯が大きいのでシャナの座るポジションは必然的にベンチの端になる。
 だがこちらは躰が小さいのでそれでも十分過ぎるスペースだ。
 足を大股に開いて座る承太郎の横に、スカートの中で足を組み
ちょこんと大人しく座っている。
「……」
 承太郎は、そのまま黙って空を眺めていた。
 時折思い出したように煙草を取り出して火を点け、
ソレが吸い終わると足下で吸い殻を
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