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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#14
蒼い霹靂 〜BLACK OR WHITE?!〜
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揉み消し
再び空を眺めながら時折考え込むように俯く。
(こいつ……空見るのが好きなんだ……ッ!)
 シャナは、承太郎に自分と同じ嗜好が在った事に驚き更に少し嬉しくなる。
 つられて自分もその無限へと続く、広大無辺なる果てしない蒼の空間へと視線を移した。
 そして。
“こいつになら、いつか自分の大好きな景色を見せてやっても良いかな?”
 と、密かに想った。
 空と大地、その水の鏡に全く同じ色彩が映った、特別な景色を。
(喰われそうだな……)
 その水晶のようなライトグリーンの瞳に広大なスカイブルーの光景を映しながら、
承太郎は心の中で呟いた。
 眩いばかりの、陽の光。
 頬を撫ぜ、髪を揺らす早春の息吹。 
 巨大な雲海が、少しずつその形容(カタチ)を変えながら緩やかに流れていく。
 その、今にも落ちてきそうな空の下で、
承太郎は学帽の鍔で目元を覆いその瞳を閉じた。
 シャナは脇の承太郎が微睡みの世界に落ちた事に気づかず、
そのままベンチの縁に両手をつき無言で空を見つめていた。
 そのまましばし、時が流れる。
 公園の花壇に設置された花時計の針は、気がつくともう10時を指していた。
 足下の吸い殻はもう十本以上になっている、
沈黙の中シャナがおもむろ口を開いた。 
「さて、と。いつまでも此処で空見てても仕方ないし。昼食の買い出しにでも行くわ」
 そう言って脇に立てかけてあった真新しい学生鞄を手に取り、
ベンチから腰を浮かせる。
「おう行ってこい。ついでに煙草も頼むぜ」
 心底無関心な口調で承太郎は両足を開いたまま、
両手をズボンのポケットに突っ込みながら言った。
 シャナが消えるのでこの後は久しぶりに雀荘にでも行くか、
それともバカラにするか、午前中からでも酒を飲ませてくれる
BARは近くにあったか、等と健全な不良に相応しい思考に耽っていた
承太郎の襟首が、いきなり強い力で引っ掴まれ無理矢理ベンチから引き起こされる。
「!」
 一瞬の浮遊感の後、黒い有名ブランドの靴底が
アスファルトへ接地するのと同時に、
「何言ってるの? おまえも来るのよ」
シャナが澄ました表情で言った。



【2】

 外資系の企業がスポンサーとなって設営された
巨大なアメリカン・スーパーマーケット。 
 平日の昼間、しかも早朝セールが終わった後なので
広い店内は閑散としている。
 静かに開いた自動ドアから中に入ったシャナは、
青い網の目状の買い物カゴを手に取ると目の前の生鮮食品には目もくれず、
通常の買い物順路を無視してその中心辺りにあるお菓子売り場に向かった。
 その中からスナック類などは度外視してチョコレートのクッキーや
カスタードクリームの入ったマドレーヌ、マカロンなどを手当たり
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