第14話
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「へえ……さすが大した情報網だね。」
「既に俺の事までご存知とは……」
そしてツァオが呟いた言葉を聞いたエルファティシアは余裕の笑みで答え、ノエルは驚き、ワジは感心し、リィンは真剣な表情でツァオを見つめて言った。
「フフ、他ならぬ特務支援課のことですから。しかし、まさかグレイスさんにこちらの動きを掴まれていたとは。さすがは天下のクロスベル・タイムズですね。」
驚いているノエル達に口元に笑みを浮かべて答えたツァオはグレイスがいる方向に身体の向きを傾けてグレイスを見つめて言った。
「い、いや〜…………偶然ですよ、そう偶然!」
ツァオに笑顔を向けられたグレイスは内心焦りながら笑顔で答えた。
「……一体、こんな場所で何をなさっているんですか?」
「ルバーチェの跡地に何か御用だったんですか?」
「ハハ、決まっているでしょう?このまま寝かせておくには余りにもったいない土地です。ならば我が社が有効に活用させてもらおうと思いまして。」
ロイドとエリィに尋ねられたツァオは笑顔で答えた後不敵な笑みを浮かべた。
「……!」
ツァオの言葉を聞いたロイドは表情を厳しくし
「フフ、マフィアの保有物件など普通なら手を出しにくいでしょう。しかし我々ならば”多少は”その手の物件にも慣れています。委託業者にしても月々の管理費は頭が痛いでしょうし、良い取引が出来そうですよ。……まあ、ラギール商会も同じ考えらしく、あちらもこちらを買い取ろうとしているらしくて……フフ、中々楽しませてもらっていますよ。」
ツァオは不敵な笑みを浮かべて答えた。
「くっ…………」
ツァオの話を聞いたロイドは唇を噛みしめ、
「……えっと、ツァオさん。そうした情報は記事にしても?」
グレイスは真剣な表情で尋ねた。
「ああ、構いませんよ。やましい事ではありませんし。憶測で決めつけるのは勘弁していただきたい所ですが。」
「あ、あはは……もちろん心得ていますわ。」
「フフ、それでは失礼します。ロイドさん、何かあれば我が社にいらしてください。……行きますよ、ラウ。」
「は。」
そしてツァオとラウはロイド達から去って行った。
「……………………」
2人が去って行く様子をロイドは黙って見つめ
「す、凄い人でしたね。ヘビに睨まれたカエルみたいな気分だったんですけど…………」
「そうね……」
ノエルは真剣な表情で呟いた後溜息を吐き、ノエルの言葉にエリィは頷き
「黒月きっての若手幹部、”白蘭竜”のツァオ・リーか。噂以上のキレ者みたいだね。」
ワジは真剣な表情で呟いた。
「ああ、相変わらずだな。―――グレイスさん。黒月とラギール商会がこのルバーチェ
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