第10話
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「その前に一つ確認しておくが……確かエルファティシアはレンに会った事があるんだったな?」
「?ええ。ミシュラムでルバーチェと戦った時だけどね。あの娘がどうかしたのかしら?」
「……ヨアヒムによるクロスベル襲撃や薬物事件が終わった後、レンは”星見の塔”にある膨大な数の本を自分を守る為に所属している親衛隊員達と共に本の中身を全て写し、写した書やデータを本国に持ち帰って、学者や魔術師達と共に調べたらしいんだが……そこでとんでもない事がわかった。」
「……一体何がわかったのかしら?」
ヴァイスの説明を聞いたエルファティシアは目を細めて尋ね
「”幻の至宝”――――”虚ろなる神”がこのクロスベルの地にかつて存在していたのです。」
「”至宝”……確かそれって”空の女神”が残したとか言われている古代遺物だってロイド達から聞いた事があるけど……」
アルの話を聞いたエルファティシアは真剣な表情で呟き
「ああ、そうだ。それでその”幻の至宝”とやらが持っている力だが……これがまたとんでもない力でな。最初にリウイ達から話を聞いた時、冗談かと思ったぞ?」
「……一体どんな力なのかしら?ロイドやエステル達から聞いたけど、”輝く環”とかいう”至宝”は人の願いを叶え続けるというとてつもない力だったらしいけど……」
ヴァイスの説明を聞いたエルファティシアは目を細めて尋ね
「……因果律の操作です。」
「何ですって!?それって下手をすれば”時”をも操れるじゃない!?」
重々しい様子を纏って答えたアルの言葉を聞いたエルファティシアは驚きの表情で言った。
「……話を続けるぞ。その”幻の至宝”とやらはどうやら高位な人格が与えられていたようでな……しばらくは因果律を操作して”人”という存在を正しい道へと導いてきたらしいが……ある問題が起きた。」
「……”心”に限界に来たのね。人格が与えられたという事は”人”が持つ”心”を与えられたも同じ事。因果を操る上で人が持つ”性”や”業”、世界の不条理を知って行けばいずれ”心”が破壊されるのは時間の問題よ……」
そしてヴァイスの説明を続けるようにエルファティシアは重々しい様子を纏って呟き
「ええ。そして心が破壊されて行った”虚ろなる神”は暴走して守るべき人々を傷つけるのを恐れてある判断をしました。」
「……大体予想できているけど、一応聞いておくわ。一体どんな判断をしたのかしら?」
「……”自分という存在”の”因果を世界から消滅させる”という事をしたんです。」
「……そう………やっぱり……………それでその話に何故、あの新市長の家系が関係しているのかしら?」
アルの説明を
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