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遊戯王EXA - elysion cross anothers -
PROLOGUE EDITION Volume.1
PE01-JP002《少年、これが現実だ……》
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1st/Toya Mizusaki
◇LP/ 0 HAND/8
◇set card/mo-0,ma-0
2nd/Ren Kazami
◇LP/4000 HAND/3
◇《ドラグニティ−ドゥクス》ATK/1900
◇《ドラグニティナイト−ヴァジュランダ》ATK/3800
◇《竜の渓谷》FIELD
◇set card/mo-0,ma-0
Ren WIN
― ― ― ― ― ― ― ―
「……よし、終わった」
黒焦げになった少年の体は、闇が飲み込もうとする気配がない。
多分、今ので即死だったんだろう。闇に落とされるよりは、もしかしたらこれで良かったのかもしれない。
機能を停止したデュエルディスクから、彼の使っていたデッキが排出された。
「……うわ。あの電撃で焦げ跡の一つも無しか……」
驚いた。
俺のいた世界……否、どこの世界であっても木でできた紙は少量の電気だけで無残な姿になるだろう。
やっぱり、ここは異世界なんだ。そう、思わされた。
好奇心に駆られ、彼のデッキの上から1枚をめくる。
「―――っ!?」
表になったカードは、《エフェクト・ヴェーラー》。相手のメインフェイズにのみという制約こそある物の、手札から相手フィールドに存在するモンスターの効果を無力化する効果モンスター。
恐らくは、水咲凍夜が最も望んでいたカード。
そして、俺が最も恐れていたカード。
……終わっていた。
もし、この世界でのルール"初期ライフポイント4000"を失念していたら?
もし、慢心に溺れて展開を続けていたら?
俺は、負けていたんだ。
「―――っ!」
急に頭痛を感じ、膝をついてしまう。
人を、殺してしまった。その事実に、心が痛む。殺さなければいけない奴だった。それなのに。
―――ああ、そうか。人を殺すって、こんなにも苦しいことだったんだ。
人を殺そうという時、それ相応の覚悟を……俺は果たして持っていたのか? 逆に、返り討ちになって殺されるかもしれないという覚悟が、彼には果たして出来ていたのか?
「風見様!」
俺達に助けを求めてた少女の声が微かに聞こえた。
……意識が、暗く、深く、霞んでいく。
次に目を覚ましたとき、きっと視界の先には部室の天井がある。そうであってほしかった。
この世界が、どうか
悪夢
(
げんそう
)
のままで終わってほしい……そう祈っている、自分がいた。
to be continued...
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