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英雄伝説〜菫の軌跡〜(零篇)
第87話
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ル全域の混乱、それから操られていた人の安否も……落ち込んでいる暇は無いと思うわ。」

「………エリィ………」

エリィの言葉を聞いたロイドは黙ってエリィを見つめた後目を閉じ

「………ありがとう。そうだな……ヘコんでいる場合じゃないな。それに………キーアや課長との約束もちゃんと守らないとな………!」

静かな笑みを浮かべた後目を開いて笑顔を浮かべた。



「ええ……!」

「全員で無事にあの子の元に戻る約束……それと課長に一人前と認めてもらう約束ですか。」

「ハハ………何とかどっちも守れそうだぜ。」

「ふふっ………」

「………仲間か………」

「うふふ、リベル=アークや”影の国”で戦った人達を思い出すわね♪」

「フフ、そうね。」

ロイド達の様子を微笑ましく見守り、かつての出来事を思い出していたエステルやヨシュアは懐かしそうな表情をし、レンの言葉にルフィナは微笑みながら頷き

「ハハ、”影の国”やったら、フィーもその”仲間”の中に入る事になるんやろうな。」

「フッ、そして今のフィーもまた新たな”仲間”に囲まれているのだろうな。」

ゼノとレオニダスはそれぞれ静かな笑みを浮かべてある人物の顔を思い浮かべていた。



「フフ………どうやら幕引きみたいね。」

「え………」

その時ユウナの声が聞こえ、声を聞いたエステルはロイド達と共にユウナを見つめた。

「本当は最後まで手を貸すつもりはなかったんだけど………ふふっ………レーヴェやおねえちゃんに影響されちゃったのかしら。」

「ユウナ………!」

ユウナが去るつもりである事を悟ったヨシュアはエステルと共にパテル=マテルの片手に飛び乗ったユウナに近づいた。

「………これでクロスベルでのユウナの心残りは全部無くなった。なかなか楽しかったけどユウナがいると混乱しそうだし、そろそろ失礼するわね―――」

そしてユウナはパテル=マテルに指示をしてその場から去ろうとしたが

「ユウナ。」

「………なぁに、エステル。ユウナは……まだ捕まる気はないわよ?」

エステルに名前を呼ばれると身体を震わせた後エステルを直接見ないように身体を横に向けて答えた。



「ううん、ユウナ………もうあんたは……あたしたちに捕まってるわ。」

「……!」

「最後に別れてから半年………一度リベールに里帰りしてまたここに来てから3ヵ月………あたしたちはいつでもユウナの気配を肌で感じていたわ。」

「人形工房にいた事も知っていたし、ちょくちょくクロスベル市に遊びに来ていたのも知っていた。さすがに導力ネットで君を捉えるのは難しかったけどね。」

「あ、当たり前じゃない……!ユウナは”仔猫”……誰
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