暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王EXA - elysion cross anothers -
PROLOGUE EDITION Volume.1
PE01-JP001《必ずしもテンプレからは始まらない》
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「あ、お待ちしておりました」

 そしてこの顔である。

 あ……ありのまま、今起こった事を話すわ!
「私たちは奴が目の前でトラックに轢かれていたと思ったらいつのまにか私たちの部室に無傷で先回りされていた」
 な……何を言っているのかわからねーと思うけど、私にも何が起こっているのかわからなかった。頭がどうにかなりそうだった……。催眠術だとか、超スピードだとか……そんなチャチなもんじゃあ、断じてない。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったわ……!

「「「……」」」
「……皆様、大丈夫ですか?」

 いいえ、脳内処理が追いつかないだけです。

「……えーっと、今日私がここに来たのは……」
「……どういうことですか?」

 おお、さすがは蓮。もう復帰するのか。

「その言い方、まるで()()()()()()()()()()()()ような言い方ですが……?」
「はい、その通りです」
「正解なんだ……。……さっきのトラック、もしかしてこの話に関係ありますか?」

 ……え、なぜそこでその話題?

「待ちなさいよ蓮。なんでトラックの話が出てくんのよ?」
「沙耶姉、考えてもみなよ。あの時トラックに轢かれたのは目の前にいる彼女。それが無傷でここにいるって時点で、これ人間じゃないよ」
「物扱いですか!?」
「その彼女が、今ここにいる。明らかにラノベ(まが)いのことに巻き込まれるパターンじゃない?」
「……おお!」

 なるほど、その発想はなかったわ。

「さすがです、風見様」

 少女の形をした、人じゃない別の何かが口を開いた。……いや、蓮を様づけするのかよ。

「本来ならば、起こり得ない事件……」
「起こり得ない事件?」

 蓮が復唱する形で少女に意味を問う。

「そうですね……例えば、この世界のインターネット上に散らばっている小説で読んだりしていませんか? "神の手違いで殺されて転生する"小説を……」

 ……ああ、あるある。二次小説にはよくある話よね。

「突如走ってきたトラックに轢かれて死んでしまった!(起)」
「私のミスで殺してしまった、お詫びに転生させてやろう(承)」
「じゃあ、この世界で。あ、チート能力もくださいな(転)」
「私TUEEEEEEEEEEEEEEE!(結)……って、かんじのやつ?」
「はい、まさにそうなんですけど……打ち合わせでもしてたんですか?」
「「「いや、全く?」」」

 うん、ネタに対する私達天文部の結束力は相変わらずおかしいと思う。

「ゆみな、よく(転)の部分ついてこれたね」
「はい、もう慣れましたから
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