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オズのボタン=ブライト
第八幕その三

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「その時もね」
「それだけ食べたら太るよ」
 カルロスはボタンの言葉を聞いて笑って返しました。
「オズの国じゃなかったら」
「僕太ってたの」
「そこまで食べてたらね」
 しかもお菓子をです。
「そうなるよ」
「そうなんだ」
「うん、オズの国では太ることがないけれどね」
 体型はそのまま維持される国だからです。
「そうなるよ」
「僕が太ったらどうなるのかな」
「そのまま丸くなるよ」
「丸くなんだ」
「そして動きにくくなるよ」
「動きにくくなることは嫌だね」
 ボタンにしてもというのでした。
「やっぱりね」
「そうだよね、けれどオズの国だから」
「そんな心配はいらないね」
「うん、安心してね」
「じゃあ十時になったら」
「その時もだね」
「お菓子を食べるよ」
 お茶と一緒にというのです。
「そうするよ」
「うん、まあ太らないならね」
 カルロスも笑って言うのでした。
「いいよ」
「それじゃあね」 
 こうしたお話をしているとすぐにそのお茶の時間になりました、そして。
 皆で一緒にです、お茶を飲んでお菓子を食べてでした。迷路をさらに進んでいきます。一階の後は二階三階と進んで。
 三階でお昼になりました、お昼はハヤシライスにポテトサラダ、デザートはアップルパイとアップルティーです。
 そのお昼を食べながらです、カルロスはこうしたことを言いました。
「上に行くにつれ狭くなってきてるのは」
「ピラミッドだからだよ」
 王子がカルロスに答えます、皆でテーブル掛けを囲んで座って食べています。
「徐々にね」
「上にいくにつれですね」
「狭くなっていくんだ」
「ピラミッドは四角錐だからですね」
「そう、その形だからね」
 その為にというのです。
「徐々に狭くなっていっているんだ」
「上に行くにつれ」
「そうだよ」
「そうなんですね、それで狭い分」
「迷路の難しさも下がってきているね」
「そうですね」
「それがこの迷路の特徴なんだ」
 王子はハヤシライスをスプーンで食べつつカルロスに微笑んでお話します。
「上に進むにつれてね」
「狭くなっていって」
「難易度も下がるんだ」
「じゃあ最初がですか」
「一番難しいんだ」
「そうした造りなんですね」
「何でもそうだね」
 ここでこうも言った王子でした。
「最初が難しいね」
「はい、一番」
「最初は何も知らないしね」
「難しくなりますね」
「このピラミッドもだよ」
「最初が一番難しくて」
「徐々に慣れるせいもあって」
 そのこともあってというのです。
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