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もう一人の八神
新暦77年
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-side 悠莉-

「ゆーりちゃん、こっちは終わったですよ」

「リインありがと。こっちも終わったから休憩しようか」

仕事が休みだったリインに手伝ってもらい少し大がかりな部屋の掃除が終わった。

「いや〜、リインが手伝ってくれたおかげで助かったよ。ありがとね」

「いえいえ、別にこれくらいどうってことないですよ♪ それにゆーりちゃんには私もいろいろとしてもらってますから」

掃除したての部屋でくつろぐ私たち。

「そういえばさ、リイン…って言うより八神家全員、何かと家にいる時間とか増えてるよね」

「海も陸もあの事件以降は少しずつですけど平和になって来てますからね〜」

「平和ね〜、そりゃいいことだ」

「ですぅ〜」

気づけばだらけ気味に日向ごっこになっていてフローリングにゴロンと寝転がりながら会話を弾ませる。

「あ、そうでした」

何かを思い出したリインは掃除前には見られなかった机の上の箱を手に取ってきた。

「お掃除の最中にこれを見つけんですけど……一体なんなのです?」

差し出されたそれを見て、「ああ……」と声を漏らす。
それは少し前まで自分の相棒を勤めてくれていた存在。

「ルーが作ったデバイス。少し前にデバイスを使うことがあったから借りてたんだ」

「それって何なんです?」

うーん、別に言っちゃってもいいのか? 一応道場のみんなや他にも内緒にしてもらっていれば大丈夫か。

「数か月前にインターミドルがあっただろ? それに出た時に使ったんだよ」

「インターミドル…って、ゆーりちゃん大会に出てたんですか!? なんで言ってくれなかったんです!」

「半分は黙ってた方が面白そうだったからね。残りはあんまり目立ちたくなかったから。ちなみにこのことは姉さんとザフィーラの二人は知ってるよ」

「はやてちゃんもザフィーラもずるいです……」

頬を膨らませるリイン。

「そう言わないでやってよ。黙っててもらうように頼んだのは私だし、二人は大会に変装までして出たいって言うわがままを聞いてくれてたんだから」

困ったように笑いながら二人を弁護すると「……仕方ないですぅ」と不満げながらもそう言ってくれた。

「ゆーりちゃん、ちなみに大会の結果はどうだったんです?」

「結果聞いてもおもしろくないと思うんだけど……世界代表戦優勝」

「……へ?」

「だから世界代表戦優勝だってば」

「え…ええぇぇぇぇーーーーーっ!?」

「……リインうるさい」

耳を塞ぎながらジト目を向ける。

「ご、ごめんなさいですぅ。でもゆーりちゃんが世界一ですよ! びっくりしちゃうです!」

「姉さんとザフィーラも言ってた。それに大会でできた友達に聞
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