奈緒あふたーっス!!01
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しい。
それも僕から彼女に想いを告白したみたいなのだが、なにせ記憶がないため初めはこんな変な女のどこが気に入ったんだ当時の僕は。と疑問に感じたこともあったけれども、毎日を共に過ごしているうちに今の僕もいつの間にか奈緒のことが好きになっていた。
そしてつい先日、僕は再び(今の僕にとって初めて)彼女に告白した。
その答えは「はい。よろしくお願いいたします」という涙混じりの返事だった。
詳細はまた別の機会に妄想回想するとして、今は奈緒とのデートだけを楽しもう。
と思考が一段落着くとほぼ同時に僕の前を歩く奈緒が肩越しに首だけを捻って僕の方を向き、その桜色の整った唇が滑らかに動く。
「喉渇きませんか?私、自販機でジュース買ってくるんでそこのベンチにでも座ってて下さい」
思わずその口許に見とれていたため僅かに口籠るが、なんとか応対する。
「あ、ええと。僕も一緒に行くよ」
「うわー、典型的なイケメンの台詞だー」
「あまり茶化さないでよ」
「冗談ッス。ありがとうございます。では一緒に買いに行きましょう」
左手で頭を掻く僕の右手を奈緒の左手がさらっていく。
半ば引っ張られていくようだが僕達は手を繋いで歩いている。
客観的に見るとちゃんと恋人同士に見えるだろうその光景を想像しているのだろうか。
奈緒の頬を一瞥すると僅かに赤みが差していて、それを隠すかのように僕を振り返らずに早足で自販機へ向かう。
今日は高校三年生の夏休みの初日にあたる。
そして我が家のカレンダーの今日の日付には大きなハートマークが付いている。
忘れただけなのだろうが今の僕にはそういったことをする意味がよく分からなかったので、それを付けたのは勿論歩未なのだけれど。
桜の花びらが完全に散り終えた五月下旬から新緑芽吹く六月を越え、若葉たちがさんさんと降る日光を浴びて天に向かって伸びて行く木々には様々な種類の蝉が千差万別の鳴き声をあげている。
本日午後十三時過ぎは絶好のデート日和といえるだろう。
(と、今朝のニュースのお天気コーナーで黒羽が言っていた)
「ねぇ」
「はい。どうかしましたか?」
「日傘…差さなくていいの?」
僕が気にすることではないのかもしれないが、この淡く雪のように透明な肌が日光に侵食されるのは何故だかとても残念に思える。
一瞬の間の後に奈緒が立ち止まると僕の足が一歩先に行き、並列して立ち止まっている男女に対して道端を行き交う人々の視線が僅かに向けられる。
斜め左上に首を回して上目遣いに僕を見つめる奈緒は明らかに難しい顔をしている。
「意外と面倒くさがりなんだね」
「意志疎通能力(テレパシー)使うなんてズルいっスよぉー!!」
暖か
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