第61話心の矢印が
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手紙が入っているのに気付いた。私はそれを開いて読んでみたーーー
【亜利沙へ
オレたちの中で手紙なんて少し照れ臭いけど、思いきって書いてみた】
確かに手紙なんてしたことなかったよね。でも飛行機じゃ携帯が使えないから、結構丁度良い気もする。私は早速このクッキーを一口ーーー
【まず最初に、このクッキー、結構気合い入れて作ったからかなり出来は良いと思う】
「ブフッ!?」
このクッキー手作りなの!?ウソ!?お店で売ってるのと大差ないくらい見た目良いよ!?私も手作りだったけど、竜くん相当料理上手でしょ!?出来が良いなんてレベルじゃないよ!!
【この前バレンタインチョコを貰った後、お前がどんな気持ちでチョコをくれたのか考えてみた】
そう書かれていた事に意識が向いた。私の気持ち、それはもちろん本命のつもりでチョコをあげた。ずっと気持ちを伝えたかったからーーー
【最初は友チョコか買い物のお礼チョコだと思ってたけど、SAOで殺人ギルドに襲われた夜、お前に言われた事をふと思い出した】
殺人ギルドーーーそうだ、あの夜から竜くんや未来ちゃんが私たちの事を死んだと思って、私たちは突然現実世界に帰還したんだ。その夜私は、竜くんにーーー
『大好きだよ、竜くん』
確かにこう言った。竜くんにはーーー届いてたんだ。
【自意識過剰かもしれないけど、オレはあのチョコを本命だと認識した】
ーーーまさにその通りだよ。
【でもオレ、今は友達のままでいたいと思ってる】
ーーーそっか。竜くん、知ってたんだ。ホワイトデーのお返しの意味。
【でも】
これで終わりだと思っていたら、続きがあった。それはーーー
【もしお前が日本に帰ってきた時、オレとお前の心の矢印がお互いを向いていたら】
その時が来たら、もちろん竜くんにはーーー
【オレをお前のなりたい存在にしてくれ】
私の恋人になってもらうからね、神鳴竜くん。
竜side
「へっくし!!うぅ〜・・・」
流石に風邪っぴきで外に出るのはまずかったなーーーやたら遠いし、空港。でもしばらく亜利沙の顔見れなくなっちまうし、セーフだな。うん、ギリセーフーーー
「あれー?すごく見覚えのある人がいるよー?」
「確かあの人、今日は風邪で来られないはずではありませんでしたっけー?」
「せやなー、おかしーなー?」
ーーーいや、アウトだな。バリバリアウト。ったく、わざとらしく棒読みで会話しやがってーーーこのSAO時代からの同胞は。
オレは友達を見送りに来ただけだってのーーー負けんなよ、亜利沙。ドーンと行ってこい!!
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