第61話心の矢印が
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って他の人に渡してもらわなくても。別に失礼だとは思ってないけど、みんなが変にときめいてるから恥ずかしくて堪らないよ。里香さんのニヤニヤした視線が痛いよーーー
「りゅ、竜くんに・・・お兄さんにありがとうって言っといてくれる・・・?/////」
「お兄さんはよしてやれよ。というかよしてくれよ、俺も恥ずかしいから・・・」
アメリカに着いたらメールすればいいけど、やっぱり和人くんにーーー弟さんに伝言を頼んだ。もしかしたら彼を通して竜に伝える事で、彼を竜くんと重ねてるのかもしれない。双子の兄弟なだけあって、よく見たらそっくりだからーーー
「アリーちゃん・・・亜利沙ちゃん。お礼がまだだったね。キリトくんを世界樹に連れてきてくれて・・・助けてくれてありがとう」
「いえ、私は何も出来てませんよ。彼らがすごいから、本当に・・・」
「そんな事ないよ。あなたたち《リトルギガント》が道を作ってくれた、わたしをキリトくんに会わせてくれた。それは確かよ」
この明日奈さんの言葉は、私にとってとても嬉しかった。私だけじゃない、翼も弾もかんなも嬉しいはず。SAOをイレギュラーな事態とはいえ、途中離脱してみんなを待ってる事しか出来なかった。でもALO事件でーーー初めて本当の意味で仲間になれた気がした。
そう思った時、私の乗る飛行機の乗客を呼ぶアナウンスが鳴った。
「そろそろ行くね・・・」
『うん・・・』
私は搭乗口に向かうために歩きーーー出す前に、後ろに振り向き女子たちみんなを抱き締める。
「世界レベルになって帰ってくるから!!」
そうみんなに宣言して、私は私を応援して送り出してくれるみんなを背に、搭乗口へ歩き出した。
******
みんなと別れて数分、私は今アメリカ行きの飛行機の機内のシートに座っている。今のところ竜くんから連絡はない。そしてフライトの時間になってCAさんから携帯電話の電源を切るように言われて、私はスマホの電源を切ってしまう。やっぱり最後にもう一度だけーーー
「声だけでも聞きたかったよ・・・」
私はそう呟き、さっき和人くんに渡された竜くんからのホワイトデーの贈り物の小箱を開ける。その中にはーーーチョコチップの入ったクッキーが入っていた。確かホワイトデーのお返しって、何のお菓子かで意味が違うんだよね。バレンタインが告白だとしたら、ホワイトデーは返事。飴だったら『OK』、クッキーだったら『友達のままで』、マシュマロだったら『ごめんなさい』だったよね。つまり竜くんはーーー私と友達のままでいたいという事。
「・・・まさかね」
失礼だと思うけど、竜くんがそんな事を知ってるとは思えない。そう考えてクッキーを食べようとしたらーーークッキーの他に、折り畳まれた
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