第五十七話 幕間2
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ください。彼女が消え無い方法は無いわけでは無いですよ」
……えっ!?
「本当ですか!?」
思わず大声を出して小池さんに詰め寄った。
「え、ええ。正確には『影響』が消えた時点で『影響』発生前の世界に戻りますが、『影響』によって改変された世界はパラレルワールドとして残るというわけです」
少しわかりづらかったけど、有名な青い猫型ロボットの映画に置き換えて考えるとわかりやすかった。
あの映画では主人公が魔法のある世界から元の世界に戻そうとしたけど、そうなると魔法の世界の方はパラレルワールドとして残る……という話だった。
『影響』もそういう感じだろう。
取り敢えず、デボラの事が片付いてホッとした……ってちょっと待てよ。
「小池さん」
「はい、なんでしょうか」
「何でそういう事を知っているんですか?」
「それは、前にも『影響』が発生した事があったからです。『影響』が消えた時に改変された世界がパラレルワールドとして残ったのを観測しました」
「一回『影響』が発生した事があるなら、『影響』を消す方法もわかるんじゃないですか?」
私がそれを聞くと、小池さんは困ったような顔をした。
「それは…………、『影響』を消す方法が毎回変わるからです。転生者達が『影響』を消すとしても彼らはそれぞれ別の世界に転生していますし、『影響』によってどんな形で世界に歪みが生じるかで自ずと変わってきてしまうわけです。ですから過去の『影響』の事例を聞いたところであまり役には立たないと思います」
小池さんの話はその通りだったと思ったけど、でも役に立たないからって何にも情報を与えないというのはどうかと思った。
だって少なくとも『これは違う』という確証を得る事が出来るんだから。
「では、そろそろこの辺で失礼します。頑張ってくださいね」
「ちょっと待って下さ……」
私が言い終わる前に小池さんの姿は消えてしまった。 きっと今頃はあの黒一色の空間にいるはずだ。
「本当に小池さんは私のサポートをする気があるんだろうか……?」
小池さんが久々に来た時は、とても期待したけどそれに反して得られた情報は少なかった。デボラが消えない(正確には少し違うけど)事は良かったけど、神についての手掛かりとかを得られなかったのは残念だった。
さて、わかった事をノートに纏めてから訓練に行くか。
私はノートを開き、情報を書き込み始めた。
*
どことも知れぬ場所で元凶は薄く笑んでいた。
元々彼の目的は暇潰しだったのだ。
無限の時間に存在する元凶にとっては、世界も『影響』も小宮山ミレイもゲームのボードであり、ルールであり、駒でしかない。
だが小宮山ミレイを駒としてゲームは思いの外楽しめる事になった
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