第五十七話 幕間2
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た頃はインドアだったのにすっかりアウトドアになった自分を変わったなと思いつつ、グリンガムの鞭と他に幾つか武器を持って部屋を出る。
そのまま廊下を歩くと、前から兵士さんが歩いてきた。
「今からお出掛けですか?」
はい、そうですと言おうとしたけど、その後に兵士さんは続けてある言葉を言った。
「小宮山さん」
「……小池さんですか。お久しぶりです」
噂をすればじゃないけど、まさか小池さんの事を考えた直後に本人と出くわすとは。
「あのラインハットでの時以来来てくれませんでしたけど、何でですか?」
「私も色々多忙だったんですよ。ですから小宮山さんの事について構う暇が殆ど無くてですね。ようやく仕事が落ち着いてこの世界に来れたというわけです」
多忙で3年も待たせるなんてどうにかしてると思ったけど、神の多忙と人間の多忙は違うんだなと割り切る事にして話を進めた。
「小池さん、『影響』の事について話があるんですが」
「ええ、私もその事について話があります。ですがその前に人気のないところに移動しましょう。どこか人気の無い所はありますか?」
「それでしたら私の部屋があるので、そこで話をしましょう」
「わかりました」
小池さんを部屋に案内し、部屋の鍵を閉めると小池さんに向き合った。
「では最初にミレイさんからどうぞ」
まず何から聞こうかと考え、色々思い浮かんだけどやっぱり最初に聞くべき事はあの事だった。
「もし『影響』が消えた場合、それによって起きた事、例えば本来いるはずの無い人がいるとかーー」
「ーーそれは貴女のご友人のデボラの事でいいですね?」
直ぐに当てられてしまった。
多忙だからと言っていたけど、私の前に姿を見せられなくても私が何をしていたかどうかをわかる程度の余裕はあったらしい。
「そのデボラの事ですけどやっぱり『影響』が消えると彼女も消えてしまうんでしょうか?」
小池さんが「いいえ」と言ってくれるのを祈っていたけど小池さんの口から出た言葉は。
「そうですね。『影響』が消えるという事は『影響』によって起きた事全てが消えるという事ですからきっと彼女も……」
それを聞いた時、私は思わず自分の手の甲が白くなるほど強く拳を握っていた。
「デボラを消さ無い方法はないんですか?」
震える声で聞いた。
何も私が友人を失うからという事だけじゃ無い。
『影響』でデボラが消えるということは、デボラという人間の人生そのものがなかったことになる。つまりデボラは消えても、誰にも覚えてもらえ無いのだ。妹のフローラにも父親のルドマンさんにも、誰にも。
……こんなに悲しいことはない。
私は前以上に元凶の神に怒りを抱いた。
「ですが、安心して
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