第6章
体育館裏のホーリー
第111話 四精龍
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手を伸ばす。……そして、その手にはカードが隠されていた。つまり、こいつはイカサマをしていた。
最初にババ抜きしたカードを回収する時、こいつはこっそりと四枚のカードを抜いていた。その様子は俺にしか見えていなく、兄貴達は話すドレイクの方を見ていた為、こいつの手元を見ていなかった。
隠していた四枚のカードを器用に兄貴達にバレない様に山札のトップに置いてその四枚を引く。
引いたカードはそれぞれのスートの数字の4の四枚、つまり4のフォーカードの役ができた。
ずいぶんと手馴れてるな?
『前の宿主にギャンブル好きがいてな。イカサマの常習犯でそいつの手元を見てる内に覚えた』
……正々堂々とやる気は無しと。
『カードゲームにイカサマは付き物だろ?それにバレなきゃイカサマじゃねえしな』
イカサマ常習犯の典型的なセリフを言うドレイクに俺は嘆息する。
「ほい、そっちの番だぜ」
「はいはーい」
自分の番になった兄貴はなんの躊躇も無く全ての手札を捨てて山札から五枚のカードを引いた。
見た感じ、ずいぶんと適当だった。
「んじゃ、オープンカードだぜ」
ドレイクは意気揚々と手札を公開する。
「フォーカードねぇ」
姉貴がドレイクの役の名をを言う。
「で、冬夜は?」
「僕はこうだよ」
兄貴は微笑みながら手札を公開する。
「なっ!?」
兄貴の手札を見て、ドレイクが驚愕の声を上げる。
兄貴の手札はそれぞれのスートの数字の5とスペードのAの五枚、つまり5のフォーカード。ドレイクの負けであった。
「……マジかよ……」
ドレイクは笑顔を浮かべるが、その笑みは引き攣っていた。
勝てる様にイカサマをしたのにあっさりと負けたからな。
「残念。僕の方が一枚上手だったね♪」
兄貴は悪戯が成功した時に浮かべる笑みを浮かべながらそう言う。
その笑みを見て俺は確信する。兄貴もイカサマをやったのだと。
まあ、イカサマをやったのはドレイクも同じなので特に追求はしない。そもそも証拠がねえし。って言うか、あの様子じゃ、こいつのイカサマにも気付いていたんだろうな。
『アッハッハッハッ!ざまぁねえな、ドレイク』
突然、謎の声が部屋に響き渡る。
その事に千秋は驚くが、兄貴と姉貴は特に驚いていない。
俺もなんとなくこの声の正体が察せたので、それほど驚いていない。
「うっせーよ」
ドレイクは声に対して、不貞腐れた様に答える。
それと同時に俺とドレイクは人格を入れ替えて元の状態に戻る。
「兄貴、今のが兄貴の神器に宿る……」
「うん、そうだよ」
兄貴の持つ神器『|四
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