新暦77年
memory:13 廃墟の街にて
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つけなよ」って」
……ほーぅ、セインがねぇ……後でしめないと。
「あとでセインを絞めるとして、そんなことしないし」
それを聞いてホッとするシスター。
「なぁ、変なことを聞くけど…どうしてあの子を助けてくれたんだ? 赤の他人だろ……?」
「何でって言われても……。自分のの注意不足で巻き込んじゃったからね。それにああいった輩は嫌いであの子たちは好だからね」
何だか誤解しているような目で見て来られた。
「言っておくけど変な意味じゃないよ。醜くて冷たい、欲に塗れた人間が嫌いで、優しくて温かい、心がきれい人間が好きなんだ」
私の中に流れるもう一つの血から見ればなんだけどね。
「アンタ……」
「キミならわかってくれるんじゃないかな? この地域で年上の、大人たちの汚さを、姉と慕う子供たちの純心を見てきたキミ。そしてシスター・シャッハやセインや騎士カリムたちの優しさに触れたキミなら」
「そう…かもね」
互いに笑いあう。
元の世界でもこの世界でも変わらない人という醜く美しい生き物。
そんな人間の姿を見ている彼女を見たときに何となくわかっていた、この子はどこか自分と似ている、と。
「あ、そういえば互いに自己紹介してないじゃん」
「確かに言われてみればそうだね。私は八神悠莉、ただの学生。よろしく」
「鉄パイプで弾丸叩き落としといてただのって……まっ、いいや。あたしはシャンテ・アピニオン。聖王教会のシスターだよ」
-side end-
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