新暦77年
memory:13 廃墟の街にて
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の群F・Gの中に突っ込む。
斬撃を四人に打ち込み、吹っ飛ばす。
一斉に振り落とされる鉄パイプを避けて相打ちを誘う。
「そこまでです!」
「全員動くなよ!」
残りはリーダー格になった所で突然、この場にはいなかったはずの女性の声が聞こえた。
「シスター・シャッハ? それにセインも…どうしてここに?」
あ、そういえばあの女の子が言ってたっけ、今日はお姉ちゃんと教会シスターさんたちに会うんだって。
そのお姉ちゃんが聖王教会の関係者だったのか。
ということは二人の後ろのにいるあの子が嬢ちゃんのお姉さんに当たるのか。
二人も悠莉がこの場にいることに驚いた表情をした。
「クソッ! だったらこのガキだけでも!」
シスター・シャッハたちの姿を見て苦虫を潰したような顔のリーダー格は懐にしまってある拳銃を取り出して銃口を悠莉に向け、引き金を引いた。
「「「悠莉(ユーリ/お兄ちゃん)!」」」
「―――フッ!」
銃声の直後にキンッ、という金属音が聞こえた。
「は……? な、何をしやがった!?」
「ただ鉄パイプで弾を撃ち落としただけだ。何ならもう一度試してみるか?」
「クソォッ!!」
今度は乱射をするが一向に悠莉に届くことはなく金属音が鳴り響くだけ。
終いにはカチャカチャを弾切れの音が聞こえてくる始末。
「なんだ、これで終わりか?」
「く、来るな……………た、頼む! 命だけはっ!」
一歩ずつゆっくりと近づく。
虚勢を張ってたものの距離がだんだんと無くなるにつれて懇願に変わった。
「命乞いを無視していたお前が何を言っているんだ?」
「あ…あああ……っ」
リーダー格は目の前に立つ悠莉の顔を見て顔を真っ青にした。
「そんじゃ、さよならだ」
リーダー格が最後に見たのは悠莉の醜くも美しく嗤った顔だった。
「ん、これで終わりっと。シスター・シャッハ、セイン、悪いけどあとはお願いします」
-side end-
-side 悠莉-
後処理を二人に任せてベンチに座っていると私と同じ年くらいのシスターがやって来た。
「キミは…シスター・シャッハとセインと一緒にいた人だよね」
「あー…うん。そうなんだけどさ……」
頬を掻きながら何か言いた気で、だけどなかなか言い出せない様子だった。
だけど意を決した顔になると頭を下げられた。
「あの子を助けてくれてありがとうっ!」
「どういたしまして」
「へ?」
「? どうかした?」
何か変なこと言ったっけ? 普通に返したと思うんだけど。
「……それだけ?」
「どういうこと?」
「いや、だってセインが「変な要求とかしてくるだろうから気を
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