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もう一人の八神
新暦77年
memory:13 廃墟の街にて
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がとね。でもこう見えても私は強いんだよ?」

「あんまりそうは見えないよ」

「ありゃりゃ」

つい苦笑いを浮かべると女の子は笑った。

「それよりも君はここいらの地域に住んでる子?」

話を聞いてみるとその通りだった。
ここから少し離れたところで一部大人と子供が集団で暮らしている。
で、先ほどのチンピラどもはというと、以前この地区を牛耳っていた犯罪グループの残党らしい。
少し前にここを訪れたシスターや管理局員たちが上の人間を捕まえたのだがその時に討ちもらしだそうだ。
罪状は質量兵器の密輸入、麻薬の売買、その他にも殺傷…快楽殺人など諸々。
チンピラどもの被害にこの子が一緒に暮らしている人たちも被害に遭わされているらしい。

少し空気が重くなったのでこの子の話しの所々出てきたお姉さんについて聞いてみると、女の子は満面も笑みを浮かべて話してくれた。

「―――でね、お姉ちゃんはいつも私たちを守ってくれたんだ。さっきみたいな人たちや目がぎろぎろした大人たちから身を挺して……。だから私はそんなカッコいいお姉ちゃんみたいになりたいんだ」

「そっか。そのお姉さんは何処に?」

「ここにはいないよ。でもね、今日お姉ちゃんがシスターさんたちと私たちに会いに来てくれるんだ!」

まぶしいな。
さっきのチンピラどもと違ってまっすぐで綺麗な目をしてる。

「よかったね。それじゃあ早く戻らないとね」

「うん! お兄ちゃんこっちだよ!」

手を引かれながら路地を出た。
この時、周囲を警戒するのを忘れてしまった。

「見つけたぞ!」

数は先ほどより増えて三十人ほど。
全員が武器を持っていて、私たちを囲んでいた。

-side end-

-side other-

「ゴメン兄ちゃん、私のせいで……」

「気にしない気にしない。それよりも……」

先ほどとは異なり人数が倍以上に増えている。
この町に蔓延る仲間を呼んだのか。

「そこのチビか、さっきはよくもやってくれたな」

「うるさい! お前たちがこの町にいるからでしょ! みんなを傷つけているお前らなんかいなくなっちゃえばいいんだ!」

啖呵を切る女の子。
リーダー格はイライラを募らせながらも面には出さずに深く息を吐いた。

「はぁ、女の子に啖呵切られてキレそうになるなんて情けないな。それに限られた範囲内にいる子供二人を探し出せずに増援だなんて……さらに情けないな」

「……なんて言った?」

「お前ら全員聞こえなかったのか? それは残念な耳だな……ん? それとも耳に入った言葉が理解できないほど頭が残念なのか? それはすまなかった」

それを言うと殺気が膨れ上がった。
悠莉は殺気を感じると肩を竦めて「情
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