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『八神はやて』は舞い降りた
第5章 汝平和を欲さば戦に備えよ
第45話 新世界の神になる
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ーゼクス様を義兄呼びしましたね……っと、そうではなくて、『そういうことになっている』とは?」
「小猫は鋭いわね。お兄様から直接聞いたのだけれど、何も関与していないのですって」


 どういうことだ? と全員が疑問に思う。
 非道な行いを行うディオドラを誅したことで、サーゼクスは一部では株を上げた。
 それは人間を対等とみなす極一部の良識派、卑劣な行為を嫌う誇りある悪魔などだ。
 その一方で、名門アスタロト家の悪魔を殺したことで、血筋に拘る旧魔王派は大反発している。
 さらに皮肉なのは――――


「――ディオドラの元眷属の彼女たちが禍の団に合流してお兄様への復讐を企てているのよ」


 やるせない表情をしてリアスは締めくくった。





 ここは、冥府。
 生とし生きるものの終末点。そこを守るは死神たち。
 静謐な空間は、いままさに襲撃を受けていた。


「――クラウ・ソラス、ジェノサイド・シフト」
『Claiomh Solais Genocide Shift』


 万を超える砲撃魔法が「殺傷設定」で乱れ打ちされる。
 進撃を止めようと殺到してきた死神を、下級から最上級まで関係なしに消し炭に変えていく。
 禍の団による奇襲により、冥府は大混乱に陥っていた。
 あちこちでテロが起こり、戦力が分散した隙を狙って、冥府の王ハーデスの居城が襲撃を受けていた。


 先頭を立つは、9歳児程度の少女で、白黒のサーコートに赤い羽根を背中に生やしている。
 色素の薄い金髪に、コバルトブルーの瞳が輝いていた。
 少女が何者なのか。情報をもたない死神たちは、訳も分からず死んでいく。


「くっ、やつは魔導師だ。白兵戦を仕掛けろ!」


 多大な犠牲を払いながら、砲撃をかいくぐる。


「飛龍一閃」
「テートリヒ・シュラアアァクク!」
『ブラッディ・ダガー』


 しかし、彼女を守る騎士たちが一切敵を寄せ付けない。 
 シグナムが連結剣を振るうと、ヴィータが鉄槌を落とす。
 はやてに向かう弾丸はザフィーラが防ぎ、シャマルが指揮と回復を担う。
 ユニゾン中のリインフォースも主を守ることを忘れない。
 死を振りまきながら確実に、最奥――死神たちの王のもとへと向かっていった。


 指揮官である最上級死神プルートの一声により、死神たちが謎の少女に殺到する。
 いや、彼には一つ心当たりがあった。
 三大勢力の諜報活動から要注意人物として八神はやての名があがっていた。
 少女にはその面影がある。そのうえ、扱う魔法も類似していた。
 妹あたりか? それとも本人なのだろうか?
 いや、少女を守る騎士たちは、八神はやてのものと同一だ。
 つまり、八神はやて本人なの
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