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『八神はやて』は舞い降りた
第5章 汝平和を欲さば戦に備えよ
第45話 新世界の神になる
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して体調は万全に整えんと。
 といいつつ、縁側で日向ぼっこに励んでいる姿は、わんこモードでなければごく潰しにしか見えなかった。


「一誠先輩の言う通りです。ザフィーラ師匠ならいい勝負ができるかもしれません」


 いえ、勝ってしまうかも、まさかね。と内心小猫は付け加える。
 その後、近接戦に知識がないリアスが、木場に問うと、彼も似たような回答をした。
 八神家は魔窟ね、と結論づける。


「ザフィーラさんってそんなに強いんですね――自宅警備員なのに」


 朱乃の余計な一言で、部室がまたシン、と静まった。


「そ、そんなことより、元の対戦相手だったアスタロトはどうなったんですか」
「……あー、そうね。それがまたややこしいことになっているのよ」


 尊敬する師匠のダメな一面から目をそらそうと、強引に話題を変えようとする小猫。
 リアスもそれに乗っかり、渋い顔をしながら、アスタロトの末路を語った。
 

 ディオドラ・アスタロト
 名家アスタロト家の新進気鋭の悪魔だった。
 気障だが女性に優しい性格で、教会に弾圧された魔女を自主的に匿っていたそうだ。
 助けられた彼女たちは彼の眷属となり、熱狂的に慕っていた。
 エリート紳士だと冥界では評判だったとか。


「悪魔の中にもいいやつがいたのだな。同じ元教会関係者としては助けてくれて感謝したい」
「ゼノヴィア、それがそうでもないのよ」
「何か裏でも?」


 リアスは裏の話を語った。
 実は、ディオドラが匿った魔女は、全員教会の元聖女だった。
 そして、彼女たちが魔女として追放された原因を作ったのが、ディオドラだったのだ。
 要するに、酷いマッチポンプ。
 それを知らない眷属たちは、


『ディオドラ様のおかげで今の私たちが存在しているのです』


 と周囲に語ってやまなかったという。
 さらに、アーシアを教会から追放したのも、奴の策略だといったところで――――。
 ガン、と壁をたたく音がした。
 そこには、壁に拳を打ち付け、怒りに震えるイッセーの姿があった。
 イッセー、そういってリアスはなだめる。
 だが、一誠以外の部員も怒りを露わにしていた。
 とくに、ゼノヴィアとイリナの怒りは大きい。


「……ですが、アスタロトは死んだんですよね?」


 ぽつりとアーシアが呟いた。
 当事者だというのに、意外なほどに平静である。
 全員がやや落ち着きを取り戻し、リアスの方をみる。
 彼女は、複雑な表情をしながら続けた。


「お兄様――サーゼクス・ルシファーによって、悪事を暴かれたディオドラは成敗された。そういうことになってるわ」
「さすがですお義兄様」
「イッセー先輩、さらりとサ
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