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歌集「春雪花」
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 想ふほどに

   心侘しき

    枯れ野原

 彷徨い歩く

     独り虚しき



 彼を想えば想うほど…淋しさに満たされ、心の置き場さえ見失う…。

 それは、まるで晩秋の夕暮れ…冬を待つ枯れ野原を彷徨うようで…。

 一人とは…虚しいものだ…。



 降る雨に

  悲しみ零し

    詠えども

 心癒せし

   ものもなかりき



 梅雨の雨に…彼に会えない悲しさを思いながら短歌を詠み耽る…。

 どう詠んだところで侘しいだけ…どれだけ詠もうと、彼はいないのだ…。

 そんな私の心を癒すものなど…どこにもなく、誰もいず…。


 虚しく…空を見上げる…。





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