第四話「王国の陥落」
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法使いを襲う。間一髪のところで魔法使いは矢を躱す、しかしその頬には矢でできた傷が。
「翡翠の国は、竜の女王だけの国ではないぞ?フォルノウスとやら」
「お、おまえは!」
ミスリルの光り輝く白銀の鎧と自分の身長よりも長く巨大な炎の波紋を見せる長剣を片手に背には先ほどの矢を放った、強弓。アルセイユもエレスティアもその姿に活路を見出す。
「人間の王の中で一番誇り高く、この世の魔を滅してきた勇者の血族、聖なるアルランディアの末裔、我が名は、アル・ウェストル」
「くっ、国王が帰還していたとは、これは、分が悪い、だがまあ、わたしには切り札がある、竜族と戦った魔族の忘れ形見。竜族封印の法」
黒衣の魔法使いは、黒のローブから、鉄の赤さびた枷を取り出した。そしてそれをエレスティアめがけて投げる。赤さびた枷は、まるで意思を持っているかのごとく彼女の手足を拘束する。
間髪いれず、杖を構えて詠唱すると、枷の、端に着いた丸い球がどんどん大きくなっていくまるでエレスティアの体の力を吸い取るように。」
鉄球に奇怪な紋様が浮かぶ。もはや、エレスティアは重い鉄球で満足に動くことも出来ない。
「わたしの妃になんて仕打ちを、覚悟は出来ているか?」
「くははは、竜の力のない翡翠の国など、恐るるに足らぬわ、ウェストルよ、お前はわたしにとって少しも脅威ではない」
ウェストルは、長剣を振りかざして大きく跳躍して真上から振り下ろす、するとものすごい炎があがり、周囲のものは全て溶けてしまった。魔法使いは、胸の皮を切られてそこから炎が黒衣を焼く。
「ぐう、その剣はなんだ?」
「おしえてやろう、名はレーヴァンテイン。業火を呼ぶ魔剣よ」
「あ、あの伝説の獄炎をもたらす魔剣?一振りで世界を三度焼くという。欲しい、伝説の魔法使いの我にふさわしき剣ではないか」
「悪いな、この剣はおれにしか従わん。おまえには過ぎた剣だ。さあ、もう死ぬ覚悟はできたかな?」
「父さん、母さんがっ!」
エレスティアが、人間の姿に戻って石になったように動かない。
「こ、これは?」
「この法は、全てをその紋様によってで力を封ずる法。その周りの時間もその者の魔力や生命力すら固体のように固めてしまうのさ。お前の妃は鉄球にどんどん力を吸われてそしてやがて死ぬだろう」
「その前に貴様を倒すさ。アルセイユ!」ウェストル王は、息子を呼びつけた。
「は、はい。父さん!」
「アルセイユ、お前には母さんの血、つまりドラゴンの血が流れている。イメージしろ!おまえの血が母さんにかけられた呪いを治す様を」
「え?そ、そんな父さん。ぼくは魔法なんて使えないよ」
「分かっている。だがお前には王子としてこの国の未来としてしかるべき教育をさせてきた、思い出すのだ。瞑想の授業の時の心の置き方。剣術のときの力の使い方。それら全
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