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ネフリティス・サガ
第四話「王国の陥落」
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しない。だから竜と張り合える魔法使いは、竜を殺してその肉を食ったものか、それかいろんな種族の魔法を合わせて自分の魔法を持ったものだけだとか。
 ぼくの血の中にも竜の血が流れているからいつかは魔法を使えると母さんは言っていた。だってそれはわたしの息子なのだから当然だ、とも言った。けど魔法は、しっているのと使うのは別なんだとか普段はわたしたちの血の中に隠されていてそこから呼び起こせるほど力をつけたものが初めて使えるようになるものなのだと。
 魔法使いと母さんの戦いは熾烈を極めた。魔法使いが杖を天空に掲げればさっき、船を落とした雷を今度は魔法使いが操り始めた。ものすごい雷が雨になって母さんに襲い掛かるけれど母さんの竜の体はそれを全て跳ね返してしまう。竜のうろこは魔法を跳ね返す力をもつ。魔法使いはそれを知らなかったのか雷を受けてまっさかさまに落ちていく。母さんは頃合をみてぼくのいる、大望遠鏡の塔へと降り立った。人間の姿に戻った母さんはひどく疲れていた。
「くっ、この七千年間で最強の相手だった。アルセイユ?よかった無事なのね、砲撃がそっちに言った時ちょうどあなたの寝室のほうが吹き飛ばされたから母さんは本当にどうなるかと……」
「母さん、大丈夫?すごく疲れているみたい」
「大丈夫よ、私は翡翠の国の女王にして古の竜の一族の最も高貴なる女、エレスティア。
アルセイユ。お前のお父さんは人間だけど私が愛するほどの男。だから私もお父さんもちょっとやそっとで負けるような存在じゃないの。そしてアルセイユ。あなたも」
「まあ、それは承知の上での夜襲なんだがな?だが結構力を使ったようじゃないか」
 黒衣の魔法使いは、空中から気味の悪い笑みを浮かべながら見下ろしている。
「やはり、さっきのあれくらいでは倒せないか。お前は何者!?ねえ、魔法使い殿?」姿なき声に少しも臆さない母。
 そして望遠鏡の端にまるでまったく体重がないかのようにひらりと舞い降りる魔法使い。
「そろそろ、決着をつけましょう。わたしとしてもあとあの戦艦を三隻相手にしなくてはいけないのであなた程度に構ってられないのです」
「はは、高貴なる竜族の姫は、わたしなどは眼中にないと?」
「わらわのことを姫と呼ぶとは、おまえはいったい……」
「おっと、お忘れかね、八人の王はお前たちに後々の脅威になるであろう存在を伝え忘れたかな?」
「まさか、八人の王に仕えてその力のために国司の任から外された魔道師フォルノウスか!あまりの力の強大さに八人の王が力を合わせて封印したという」
「ほうほう、やはりこの時代を預かる最古の血脈の一人といったところか。だがお前はあまいな、まさかこの互いの生死を決める場所に自分の息子をたち合わせるとは」
「くっ、それでもおまえなどに遅れはとらぬ」
 そこへ一本の矢がものすごい勢いで魔
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