第四話「王国の陥落」
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ろうとそれに一度みたことあるけど使用人さんはこの量の寝巻きならすぐに全部たたんじゃって瞬く間にクローゼットにしまってしまえる。
しかし、夢の内容を思い出して怖くなったアルセイユはなかなか自分の部屋に戻れない。
しょうがないので、それに恋しくもあって母の寝室へ行くことにしたというわけだ。まあ、恋しくて会いたいというのが一番の理由だろうが。だが、その時だった。
廊下をあるいているとき、凄まじい爆発で後ろの自分の寝室が吹き飛んだ、アルセイユは、爆風で吹っ飛ばされて、意識を失いかけた。どうにか立ち上がる。なにが起きた?
「な、なんだ?そうだ!窓!」
アルセイユは、廊下の一面に張られたガラスが砕け散っているところへ行って外を見た。
ブアッと、顔にいままで嗅いだことのないくらい変な焦げ臭い風があたる。生暖かい。アルセイユは目をしばたかせ、自分の目の前で信じられないことが起こっているのを目の当たりにした。
燃えている。町が真っ赤に炎を吹き上げて燃えているのだ。そして夜の暗い空に巨大な何かがうごめいているのが分かる。そのなにかは夜の暗さにまぎれてはいるがあまりの大きさにその姿を隠しきれてない。飛行戦艦だ。爆弾を雨のように落としている。絨緞爆撃という奴だ。いつだったか兵器ばかりが載ってる辞典で見た。爆弾をいっぱい乗せることができて、大砲で山の形を変えられるほどの砲撃ができる北の大国の恐ろしい機械だ。でも形がだいぶ違う。自分が見たのよりずっと巨大だし、すごく強そうだ。
さっきのはあの飛行戦艦からの砲撃だと分かった。他にあと三隻ほど見える。そしてその戦艦から小型の機械がわらわらと町に投下されていく。それは地面に落ちた後自分で起き上がって機械の手足を使って器用に崩れた瓦礫の上を動き回る。頭、のようなところについてる砲門と機関砲で町の人たちを殺しまわっている。
空もそうだ、翡翠の国の飛行船団が反撃をかけているが、砲門から打ち出されたこうもりのような羽を持った飛行機械が群がるハエを落とすように何千機と飛び回っている。
あまりの恐ろしさ、足ががくがくと震え始めたが、頭がおきたばかりでまだ回らないせいか少し今起こっていることに明快な理解ができないことが唯一の救いだった。
吹き飛ばされた自分の寝室を見て、あともうちょっと自分が母さんのところへ行こうと決心するのが遅れてたらバラバラになっていた。そんなことを寝ぼけた頭で考える。
戦艦の砲門がいくつかまたこちらに照準を合わせて来た。今度は容赦なく砲撃を始めた。さっきの一発は、こちらの反応を見るためのためしの一発だったのだろう。
そこから砲撃が雨のように城に降り注いだ。
アルセイユは夢中で走った。自分の目の前のものが吹き飛んだり後ろで大きな爆発があったり普通なら、怖くて立ち往生してしまうだろうが、アルセ
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