新暦77年
memory:12 変化
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
-side 悠莉-
あれから順調に予選を勝ち上がり、本選へと出場した。
少しだけ予選ことを思い返してみる。
第二回戦、VS 初参加・徒手格闘型。
私の縮地による背後からの不意打ちを警戒してか、目の前の私よりも背後に意識が集中していた。
開始直後、ダッシュで距離を詰めて、そのままみぞ目掛けて寸勁。
ガードががら空きだったため、難なく決まり、気を失って秒殺で一発KO。
―――1R 17秒 KO勝利。FB、紅寸勁(魔力付加打撃)。
第三回戦、VS 三度目・砲撃魔導師。
空中からのシューター、接地型のバインドなどで隙を作らされた後、高速砲。
なのはさんのような隙のない組立てではなかったため、相手を地面にたたき落として、魔力の剣での剣技中心で攻め立ててKO勝利。
まぁ、魔力散布が一回戦よりも成されていたから大ダメージを与えられたのが早期決着の要因の一つだったかと。
―――1R 3分4秒 KO勝利。FB、魔皇刃(魔力付加斬撃)。
第四回戦、VS 三度目・双剣格闘型。
これはいい経験になったと思う。
元の世界でも滅多にお目見えできなかった双剣士とのカードだったのだから。
相手は特徴を生かして手数の多さで攻めてきた。
ただ、弱点である攻撃力の低さに加え、普通に見切れるスピードだったために、ちまちま大きなカウンターでおいしくいただきました。
―――1R 2分36秒 KO勝利。FB、外門頂肘(身体強化打撃)。
と、こんな感じだった。
ただ、試合が進むにつれて頭が冴え、喜びを感じる一方で飽きをも感じ始めた。
なまじ元の世界やこっちの世界でレベルの高い人たちとの戦闘や模擬戦をやってたせいで物足りなさを感じてしまってるからだと考える。
自分の中にギリギリの戦いを…命のやり取りをしたいと思ってる自分自身をどうにかしないと後々大変なことになるんだろう。
この気持ちを別の気持ちに置き換えるようにしないと……。
それは置いといて現在はと言うと、
「はあああぁぁ!!」
次々と襲いかかる刺突の嵐を避ける。
半身になってできるだけ紙一重で。
苛立って動きが雑になってくれれば面白いんだけどな……ん?
アルスター選手の表情は悠莉の想いとはことなり、焦りの色はない。
開始から今までポーカーフェイスを保ち続けている。
だが、そのポーカーフェイスが一瞬だけ、本当に微かだが崩れ、口元がつり上がったのを見逃さなかった。
腹部を狙ったそれを避ける。
しかしその直後、刺突を躱したはずにもかかわらず、バリアジャケットのわき腹の部分が弾けた。
……摩擦、か。
槍を螺旋状に高速回転させながらの突き。
それによって生じた空気摩擦でダメージを与えたのか。
頭を瞬時に回転させて答
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ