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魔王に直々に滅ぼされた彼女はゾンビ化して世界を救うそうです
第9話『──ごめんな』
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界、『霊界』の外に広がっている三つの世界……『魔界』、『精霊界』、『獣界』全てに存在する概念である。その種類は千差万別で、かつて《神殺し》を成したノット・ルーラーが細かく規定を定めている。

 その異能の階位を表す『Lv』と、その異能自体を表す異能名。これら二つの組み合わせによって、当人の異能のカテゴリが分配される。
 例えば神代の時代に魔王と呼ばれていた魔族は、『変光Lv.2』なる異能を保持していた。当のノット・ルーラーもまた異能を保持していたらしいが、それらの伝承は失われてしまった。
 詳しく解説するとすれば、『Lv』は1〜5に分けられている。が、まずこの世に存在する殆どの生物が持つ異能は、Lv.1が限界に等しいのだという。

 Lv.2の保持者はそれこそ魔王か英雄クラス、Lv.3以上の存在はまず通常の生命体では存在しないと言われる。たった一つ確認されている『Lv.5』保持者はそれこそノット・ルーラーが殺したと言われる『神』たった一柱のみである。

 話を戻すが、異能については未だ分かっていないことの方が多い。しかし、その異能の大元については解明されているのだ。逆に言えば、出処が分かったからこそ異能を鍛える事が出来るようになったのだが。
 異能の出処は俗に言う魂の中枢──魔力解析学の研究によって発見された、『()()()()』なる生物の中にのみ備わる特殊な根源魔力の集合体、それへと繋がる精神性を鍛える事により、異能を強化する事が出来るようになった。

 話を戻すが、訓練によってそれん鍛える事により『対魔傭兵(リ・メイカー)』として承認される事となるのだが、中にはごく稀に『特例』も存在する。

 初めから精神を徹底的に追い込まれた者−−何らかの要因で、異能を鍛え上げられた者は、それらの訓練を免除される。考えられる要因としては、よっぽど壮絶な人生を送ったか、何らかの呪いによって強制的に魂魄を消耗した等、幾つか存在する。それに加えて、ジークの『特例』はこれに留まらない。

 通常、魂の在り方を表す異能は、その性質上一人一つ。が、ジークの魂魄には二つの異能が混じり合っている。

 当代《神殺し》の見立てにより、『精密Lv.1』『形成Lv.1』と判定されたそれらがジークの持つ力であり、元より精神を追い込まれて異能を鍛え上げられた事、人類史でたったの一度も確認されたことのないその極めて稀少な体質から、ジークは『特例』として入団を許可された。

 けれども、『特例』には弊害も存在する。

 通常、『対魔傭兵(リ・メイカー)』のほぼ全員が受ける筈のその訓練は、同時に身をもって魔族と戦い続ける者としての価値観を刻み込まれるのだ。しかし、『特例』である彼らはその訓練を受けることが出来ない。
 既に精神を
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