機動戦艦ナデシコ
1393話
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残念ながらそうするのが一番相応しいのですよ。……これ以上生き恥を晒さず、そして私の死を地球の為に……げほっ、ごほっ」
話している途中で咳き込み始める。
本来なら手で口を押さえたりしたいところなのだろうが、手足がない状態ではそれも出来ない。
「……アクセル代表。申し訳ないが、グリューノ総司令の意思を尊重して欲しい」
真っ直ぐに俺の方を見ながら告げてくるミスマル。
ヨシサダを見るが、こちらも沈鬱な表情のまま頷く。
エリナの方へと視線を向けるが、こちらは黙って首を横に振っていた。
……全員がグリューノの意思を尊重しろって事か。
「分かった」
空間倉庫から取り出していたイクシールを空間倉庫に戻す。
「……すまない……」
グリューノは最期にそう告げると、まるで火が消えるかのように目を閉じ……そのままグリューノの生命の炎は消え去るのだった。
「じゃあ、準備はいいな?」
グリューノが死んでから1時間程。
現在俺達は遺跡の中でも最も広い場所へと集まっていた。
俺達……そう、俺、エリナ、ミスマル、ヨシサダ、それ以外の幹部や兵士達。
そして、グリューノの遺体。
本来なら遺体に関しては俺が空間倉庫に入れても良かったのだが、ミスマルがそれを拒否した。
自分達の手で運んでやりたいと。
そうして遺跡を去る準備を整え、今に至っていた。
「はい。皆準備は出来ています」
代表するようにヨシサダが俺へと告げてくる。
実際問題、この遺跡の中に持ち込めた武器の類は殆どなく、だからこそこうやって時間が掛からずに準備を整える事が出来たのだろうが。
周囲を見回すと、皆が覚悟を決めた表情を浮かべていた。
……さて、まずは洞窟から影のゲートで出て、それからニーズヘッグに乗り換えてシステムXNで転移だな。
そんな風に思いながら、俺は影のゲートを作り出すのだった。
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