機動戦艦ナデシコ
1393話
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しろ。俺達シャドウミラーにはお前達の理解出来ないような不思議な存在がいるからな。この程度の傷、治すのは不可能じゃない。手足も魔法を使った義手や義足を使えば、普通に自分の意思通りに動けるようになる」
この辺はエヴァの人形使いとしての技術に期待するしかないが、恐らく問題なく可能だろう。
……面倒臭いとか何とか、色々と文句は言われるだろうが。
「い、いや……私は、このままここで死ぬ方がいい。……まさか、あいつに、自分の掛け替えのない腹心だと信じていた奴に裏切られるとは、思わなかったよ」
はぁ、はぁ、と荒い息を吐きながら告げてくるグリューノだが、このままではそう遠くないうち……それこそ数時間、下手をすれば数十分と保たずに死ぬ事は明らかだ。
「いいから、とにかくお前の傷を治す。恨み言に関しては、後でその腹心とやらにお前が直接言ってやれ」
「……いえ……今回の戦争を起こしてしまったのは、私の行動が原因。であれば、その責は私がこの命を以て償わせて貰う。だから、アクセル代表。その私を回復出来るという手段は、私ではなく他の、まだ未来のある者達の為に使ってくれ」
グリューノのその言葉は、自分が死ぬ代わりに使者を殺した責任を問わないように木連に言って欲しい……というのを示したものだった。
「……」
それを理解した上で、俺は視線をミスマルとヨシサダの方へと向ける。
グリューノの立場は立派だが、グリューノの所属はあくまでも連合軍だ。まさか、俺がその辺を勝手に決める事は出来ない。
「……グリューノ総司令。本当にそれでよろしいのですか? 木連の使者の件は……」
「ごふっ、き、気にするなミスマル提督。部下の不手際は私の、不手際。誰が言ったのだったか……責任者とは、責任を取るものだ、と」
荒く吐く息の音を聞きながら俺は驚きの表情をグリューノへと向ける。
木連の使者を殺したのはグリューノの指示ではなかった?
いや、だがそう考えれば理解出来る事も多い。
確かにグリューノは強硬派として有名だし、何かあれば高圧的に相手へと接する事も珍しくはない。
だが……だからといって、決して無能という訳ではない。
その辺を考えると、木連の使者を殺すような真似をしても特に意味がないというのは明らかだった。
その上で何故木連の使者を殺したのかというのは疑問だったのだが、それを行ったのはグリューノの指示ではなかった。そういう事なのだろう。
「……生きろ、グリューノ」
そう告げた俺の言葉に、グリューノは笑みを浮かべる。
手足全てがなくなっており、顔の半分は焼け爛れているという、身体中に激痛が走っているだろうに、笑みを浮かべたのだ。
「ふふっ、ア、アクセル代表にそう言われるのは嬉しいですが……げほっ、
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