機動戦艦ナデシコ
1393話
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気力の問題だったりするんだろう。
実際、ミスマルの隣にいるヨシサダはともかく、他のお偉いさんと思しき奴等はどこか疲れた表情を浮かべている者も多いし。
「それにしても……この時期にアクセル代表がやって来てくれたのは、こちらとしても天命であったと思わざるを得ませんな」
「天命?」
何だ? いきなり大袈裟な事を口にしてるが……何かあったのか?
そんな俺の疑問に、ミスマルが悲痛そうな表情を浮かべる。
いや、それはミスマルだけではない。ヨシサダを含めた他の奴等も同様だ。
「……何があった?」
「こちらへ」
俺の質問に答えず、この部屋……というのは遺跡だし、ちょっと違うかもしれないが、とにかく奥の方へと俺とエリナが案内される。
そうして連れて行かれた場所には、一人の怪我人が横たわっていた。
いや、この場合は怪我人と称するより、見ただけでもう長くないと分かるだけの瀕死の重傷を負った人物と言ってもいい。
何より手足が両方とも存在せず、顔も半分は焼け爛れ、呼吸も荒い。
その人物が誰なのかというのは、半分だけ無事だった顔を見れば明らかだった。
「グリューノ……」
そう、その人物はこのナデシコ世界の連合軍の総司令官、グリューノだった。
今回の反乱の当初行方不明になった筈の男だが、どうやってかは知らないが死地を脱し、ミスマル達と合流出来ていたらしい。
……とても無事と言えない様子だったが。
「はっ、はぁ、はぁ、はぁ……アクセル代表? これは……みっともないところを見せてしまいましたな。ははは……はぁ、はぁ」
息が荒い。
明らかに身体は既に死んでしまっており、気力だけで生き延びているのではないかと思われる。
俺の隣にいるエリナにとってもこの光景は完全に予想外だったのだろう。反射的に俺の手を握ってくる。
ここまで漂ってくる死の臭い……身体中から腐臭すら感じられる。
よく、この状況でここまで保ったな。
小さく息を吸い、そっと口を開く。
「よく生きてたな。お前は敵の最優先ターゲットだったし、反乱が起きてから連絡も取れなくなったから、死んだかと思っていたぞ。……待ってろ。すぐに回復してやる」
俺は空間倉庫の中にある、ネギま世界の魔法界で手に入れた回復薬……イクシールを取り出す。
エリクサーとも呼ばれる、非常に高価な魔法薬ではあるが、今の半死半生……いや、8死2生とも呼べるグリューノという人物を治療する為にはこのくらいの物は必要だろう。
「い、いや……アクセル代表……私の身体は、もう保たない……」
俺の言葉で意識が戻ったのか、それとも偶然だったのか。
それは分からないが、ともあれグリューノの意識が戻ったのは間違いのない事実だった。
「安心
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