第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#13
REDMAGICIAN’S QUESTIONS
[8/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
舞い降りた。
部屋の中なのに何故か、渇いた風が一迅傍らを通り過ぎる。
そして。
「……そ……そ……ッ……そ……!!」
握った拳をブルブル振るわせ、羞恥と怒りとでシャナの顔がみるみるうちに
噴火寸前の活火山のように真っ赤に染まっていく。
全身から立ち昇る紅いプレッシャーからはまるで “ゴゴゴゴゴゴ” という
幻聴が聴こえて来るかのようだった。
「君は次にッ! “そんな事出来るわけないでしょ! このブァカ!!” と言う! ハッ!?」
昔の癖でつい口走ってしまった台詞に、ジョセフは自分自身が唖然となる。
そこに間髪入れず
「そんな事出来るわけないでしょッッ!!
このブァカぁぁぁぁ――――――――ッッ!!」
「はぐおあぁぁぁぁッッ!!」
ジョセフの顎に唸りを上げて迫る、シャナの左アッパーが高速で炸裂した。
衝撃でジョセフはソファーの後ろにもんどり打って転がり落ちる。
色々考えてはみたが結局は良い答えが思いつかなかったので、
ジョセフはお茶を濁して誤魔化す事にした。
ジョースター家に伝わる戦闘の思考最終奥義 “逃げる” である。
ジョセフをKOしたシャナは拳を振り上げたまま心の中で激高する。
(な!? なんで私がアイツにそんな事しなきゃいけないのよ!
アイツの所為で安眠妨害までされてるっていうのに!
さっきもせっかく誘ってやったってのに寝ちゃうし!
あんなヤツ大キライ大キライ大キライ!!)
惨劇の場と化したリビングで、ホリィだけがあらあらと口元を押さえて笑っていた。
流石に承太郎の母親だけあって、その「器」の大きさは桁外れのようである。
「訊いた私が間違ってた! ジョセフのバカ! もう知らない!」
シャナはそう言ってプイッとそっぽを向いた。
(む、う……これで、まとまったのか? これで良かったのか?
取りあえず、当座の危機は去ったようだが。
一応身体を張ったその 「覚悟」 に敬意を表しておこう。
我が盟友 『隠者の紫』 ジョセフ・ジョースター。
因果の交叉路でまた逢おう)
アラストールは、今己の背後で死の淵に瀕している
掛け替えのない盟友に合掌を送った。
そこへ、第三者のクールな声が割り込む。
「おいジジイ……? テメー朝っぱらから何やってんだ……? アホか?」
ソファー後ろの開いたドアから、
いつのまにかそこにいたシャナの葛藤の張本人が、
襟元から黄金の鎖が垂れ下がり二本の革のベルトが
交叉して腰に巻き付いた愛用の学ランをバッチリと着こなし、
仄かな麝香を靡かせながら床で仰向けに寝そべるジョセフを見下ろしていた。
「ようアラストール。早ぇな」
「うむ」
短く朝の挨拶を交わし、承太郎の怜悧な光の宿るライト
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ