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第四十二話 どうしてヴァンフリート4=2なのですか?
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ならないではないか。そう言いたかったが、意見を押し通せなかった自分が悪いのだ。リューネブルクには何も言えない。

「貴官にはいろいろな点で負けているが、一つだけ私が優っている点はあるな」
「???」

 リューネブルクはフィオーナのわきを通り過ぎ、さっと振り返った。その表情は不敵らしさ全開だった。

「厚かましさ、神経の太さ、面の皮の厚さ、表現の仕方は無数にあるが、私の言わんとしているところは、お分かりだろう」
「それは、お気持ちはありがたいですが、でも・・・・」
「フロイレイン・フィオーナ。放置しておいていいのかな?このままでは帝国軍全軍がヴァンフリート星域で反乱軍に包囲殲滅されてしまうのだろう?ダゴン星域会戦の時の様に」
「はい、おそらくそうなると思います」

 そうなれば、無関係の兵士たちがまた大勢死ぬことになる。無意味な死を遂げることになる。戦争それ自体で死ぬことなど、無意味ではあるけれど、同じ貴重な生命を消費するのであれば、せめて意義のある戦いの中であってほしいとフィオーナは思う。一番いいのは戦争も何もない事なのだけれど。

「私に任せてくれるなら、強引にグリンメルスハウゼン艦隊をとめて見せよう。それならば敵の包囲網に引きずられることなく、後方で戦局を推移できるというわけなのだろう」
「ええっ!?そんなことできるんですか?」

 驚くフィオーナに、

「言ったはずだ。私の・・・・まぁ、いい。自分で言うのも厚かましいばかりだ。とにかく今しばらく見ていることだな」

 リューネブルク准将はそう言い、フィオーナのわきを再び通り過ぎてどこかに行ってしまった。

「どこに行ったのかな?それにしても、どうして私のわきを通るんだろう?」

 フィオーナは小首をかしげてリューネブルク准将の後姿を見送っていた。

 1時間後――。

 艦橋では参謀長や航海長が先ほどのフィオーナの言動などなかったかのように艦隊を帝国軍本隊におっつかせようと懸命になっていた。フィオーナもリューネブルク准将も艦橋に上がってきていたが、することもなく手持ち無沙汰と言った格好である。

「遅いな!!」

 参謀長がイライラとするが、無理もない。グリンメルスハウゼン艦隊の旗艦は標準戦艦のフォルムであるがその実老朽艦であったからだ。航行や戦闘には支障はないが、帝国軍本隊と比べると速度は劣る。それは旗艦だけではなく、グリンメルスハウゼン艦隊全体に言えることだった。普通の艦や新鋭艦もないではないが、老朽艦の割合が他の艦隊と比べると高いのだ。

 このため、グリンメルスハウゼン艦隊は、前面の自由惑星同盟艦隊と戦闘状態に突入していた帝国軍本隊との距離を、少しずつ開けられていたのである。

「これ以上速度を出せんのか?」
「はっ!
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