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第四十一話 訓練は基礎中の基礎なのです。
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して第二次ランテマリオ星域で奮戦した一人である。

「つまり、フロイレイン・ティアナに副長として指揮をまかせておいて、という意味ですが」
「ほう?つまり卿はフロイレイン・ティアナよりも自分の方がこの艦をまとめ上げる自信がある、ということか」
「いや、それは・・・・」

 ディッタースドルフは沈黙する。だが、彼は意を決したようにして言った。

「情けない話ですが、小官は嫉妬しているのかもしれません。あのような若く美しい女性が自分たちの上に立ち、さも当然のように指示をしている。しかもその指示が的確であり、当人も奢っていないと来ては・・・・」
「実を言うと、俺もだ。ディッタースドルフ」

 ロイエンタールが苦笑した。

「あの一騎打ちはあきらかにフロイレイン・ティアナは手を抜いていた。あれは俺よりも数段、いや、次元の違う闘技の持ち主だ。天が与えたもうた才能にしてはなかなか物騒ではある」

 ロイエンタールは淡々と話している。その顔にはいささかも傷ついた色はない。

「それだけなら俺の矜持は傷ついていただろう。だが、奴はそれを俺に悟られないように必死だった。誰にも傷をつけないようにとな。一見ただの気の強い小娘だと思っていたが、どうやらそうでもないらしい。・・・・いじらしいな」

 最後の言葉をロイエンタールの口は苦々しげに吐き出したが、目は複雑そうな色を浮かべていた。

「艦長・・・・」
「ディッタースドルフ。事はフロイレイン・ティアナ一人の問題ではないぞ。例の女子士官学校が設立されて以来、多くの女性士官が乗り込んできている。この艦にもだ。俺はこの艦の艦長席についてまだ日は浅いが、水面下では男女の問題が起こっていることは承知している」

 ディッタースドルフは瞠目した。そう、アレーナが皇帝陛下におねだりして出した訓示、そしてそれに伴う通達にもかかわらず、水面下ではまだまだ女性に対する蔑視の風潮はあった。当たり前のことだが、数百年続く帝国軍はそれまで男児一色。そこに女性が入り込んできてまだ数年にしかならない。
 伝統という強固なコンクリートには女性がすっと入ることのできる割れ目一つすらない。

「いかがいたしましょう?小官も保安主任として職責を全うしますが、部下たちが一斉に離反しだしたら、抑えられるかどうか・・・・・」
「心配するな。俺にも考えはある。平時の訓練であれば軋轢や対立はむしろ自然の生み出すところ。だが、ひとたび戦闘に入れば、たとえ呉越同舟の仲であろうと、否応なく協力するほかなくなるのだ。ひとまず、下がってくれ。ご苦労だった」

 ディッタースドルフは敬礼し、ロイエンタールは答礼を返し、二人は分れた。ロイエンタールは自室に備え付けられた簡易浴室でシャワーを浴び、軍服を着帰ると、デスクに歩み寄った。卓
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