両手の華〜小さいおじさんシリーズ10
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〜、南中にお友達出来たの!」
おい、何かおっきい方の喬も変な事云い始めたぞ。ていうか白頭巾すら攻略に難儀した南中に旅行って…
「まじで!?呼んで呼んで!!」
「祝融ちゃん、こちらへ」
大喬がテーブルベルを鳴らすと、突如天袋の襖がすらりと開き、浅黒いクロヒョウのようなキレイなアマゾネスが姿を現した。尚香が小さく舌打ちする。アマゾネスは短刀を軽く掲げると、背筋をしならせて突如叩きおろした。轟音と共に旋風を巻き上げ、短刀が畳に突き刺さる。
「…頭上を取られた…」
小さく呟くと尚香は頭を低くして炬燵の陰に転がり込む。…もう俺たちにも見えない辺りから、弓を引き絞る音が聞こえて来た。傍らの男二人は、すっかりドン引き済みだ。
ほんと何これ!?何の集会!?
「――おい、あいつら二人とも召喚獣持ちじゃねぇかよ!」
動かない白頭巾を引きずって俺らの傍に避難してきた豪勢が、小声で白頭巾に耳打った。美女から遠ざかって幾分正気を取り戻した白頭巾が、居住まいを正して羽扇を口元にあてた。
「――ほう。流石。なかなかエッジの利いた人材揃いですな、呉の面々は」
「祝融は貴様んとこの人材だろうが!なにそっと呉に押し付けてんだ!!」
くっくっく…と羽扇の影でひとしきり笑ってから、白頭巾はそっと馬笛をくわえた。
「させねぇぞ!!」
豪勢が馬笛をひったくる。ナイスだ豪勢。
「おまえこの期に及んで事態を更にややこしくしてオモシロがろうとしてんのか!?」
「私は約束を果たしました。もう茶番は終わりです」
白頭巾の声が、妙に低く響いた。羽扇に隠れて表情が伺えない。
「貴方には待望の二喬だったようですが…これ、貴方が望んだ状況ですか?」
「ぐぬぬ」
「あの陰湿イケメンへぼ軍師があっさり二喬の派遣を許した時点で何かを察するべきだったのです。私は初手が遅れたせいであのような脅迫に屈する羽目になりました。…私はもう、何もためらいません…」
―――陰湿イケメンへぼ軍師。あいつ端正の事そんな風に思ってたのか。
「そ、それにしたって婦女子にあんな猛獣けしかけるのは人の道に反するよな!?」
「現代は男女平等なのでしょう?…私にこのような狼藉を働いたからには、それ相応の報いを受けていただきます…」
「とことんクズだな貴様!!」
ほんとそれ。今日の豪勢、正し過ぎだわ。
「相変わらず、いい性格してんなぁ、あの軍師」
三ノ宮が呆れたように天袋を仰いだ…と思いきや、俺とメガネを突き飛ばして部屋の隅に飛んだ。俺たちが居た辺りに2本目の短刀が突き刺さる。
「あーあ、こりゃ敷金はもうダメですねぇ」
「ふざけんなこれ俺のせいか!?逆に迷惑料積んでいただきたいんだけど!?」
「おい油断するな、何か始まってるぞ!?」
三ノ宮の怒号が飛
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