新暦77年
memory:11 DSAA予選
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はジークの視線を追った。
「あの子? 確か初参加のユウ・リャナンシーだったよね。だけどどうしてあの子を?」
「大会が始まる前にちょっとあって友達になったんよ。それからいろいろ話してると気になってきて……。それに試合に臨もうとするユウの後姿を見て、ああ、ウチ勝てへんかもって思ってしもたんよ」
「そう……あなたがそこまで言うなんてね。―――始まるみたいね」
「うん」
ジークの話を聞いて悠莉に興味をもったヴィクター。
二人の目は真剣そのもので、悠莉の動きを捕らえようとしていた。
試合開始直後、悠莉は縮地で背後に移動した。
「なっ!? ―――っ!!」
ロベルトは驚きながらも背後に気配を感じて素早くしゃがみながら前へ転がった。
すると頭上を何かが通り過ぎた。
「チッ、避けたか」
頭上を通り過ぎたのは悠莉の右足だった。
縮地で生まれたスピードを殺さずに着地後、回し蹴りへと繋げたのだ。
そのためロベルトの間髪いれない判断は正しかった。
直感で回避を取らなければこの一撃で撃墜されていたと言えるほどの速さと威力だったと空を切る音が証明していた。
「流石は先輩。それにしても初撃は受けてくれるんじゃ?」
「それは詫びよう。あれは僕の防御が意味をなさなそうだったからね」
そう言いながら悠莉の追撃をさばき続けるロベルトはどこか嬉しそうに笑みを浮かべた。
悠莉はそれを疑問に思っていたが言葉の続きを聞いて納得した。
「でも君みたいな強いルーキーに出会えて嬉しんだよ」
「そう言ってもらえると嬉しいです、ね…っと!」
アッパー気味に放たれたボディーブローを捌いてカウンターを放つロベルト。
驚きながらもカウンターを利用して距離をとった。
もちろん威力を殺してだ。
「やっぱり参加してみるもんだ、こんなにも面白いんだから。……さて、ウォームアップも済んだことだし、そろそろ本気で行かせてもらいますよ?」
この言葉の後にあったのは一方的な展開だった。
-side end-
-side ジークリンデ-
ヴィクターが驚いた表情でユウを見ている。
それはウチも同じでユウから目が離せずにいた。
「……ジーク、あの子の動き、見えた……?」
「ううん、完全には無理やった。ユウの体がぶれたの確認できたのでやっと。まさかこんなにすごいなんて……」
今もユウが攻め続けている。
いつもなら余裕をもって捌けるロベルト選手もユウのラッシュの前にはギリギリで防いだり避けるんがやっとみたい。
せやけどロベルト選手の表情は苦し気ながらも強者に出会えたことへの喜びがあるみたい。
ユウもユウでどこか楽しそうに笑っている。
「ロベルト選手のカウンターが決まっ
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