第7話
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ベルという地を守りたかったのは確かかもしれません。その意味では、所属は違ってもフランも同じなのかもしれませんね。」
「そっか………………………………」
ノエルの話に頷いたロイドはガイが生きてた頃の様子を思い出した。
「ロイドさん?」
「ごめん、何でもない。―――でも、君が来てくれてこちらは本当に助かったよ。人手が足りないってのもあるけど…………この先、何が起きるのか正直予想できないくらいだからさ。」
「あはは、そう言ってもらえると光栄ですけど…………でも、マフィアがいなくなって市内の治安も改善されたんですよね?『黒月』と『ラギール商会』は残っていますけど目立った動きは無いみたいですし。」
「……表面的にはね。ただ、一つ言えるのは”ルバーチェ”という組織が一定の役割を果たしていた事だ。クロスベルの治安を守る意味でね。」
「マフィアがクロスベルの治安を守っていた……?」
ロイドの口から出た意外な言葉を聞いたノエルは不思議そうな表情で聞き返した。
「まあ、結果的にだけどね。………クロスベルの置かれている特殊な状況を考えてみてくれ。自治権はあっても国家としては独立しておらず、2大国の干渉を常に受けているし、ヨアヒムが起こした事件でリウイ陛下達が直々に戦った件やクロスベル復興に関わった件ででメンフィル帝国まで両大国から強引に許可を取り付けて介入を始めた。犯罪を取り締まる法律は穴だらけで入国規制もほとんどない…………本来なら、黒月とラギール商会どころか他の犯罪組織やテロリストなんかが跋扈してもおかしくない場所なんだ。」
「あ……………それじゃあ今まではルバーチェがそれを抑える役割を?」
「認めたくはないけど……結果的に一定の秩序を裏社会にもたらしていたのは否定できない。……それが何の前触れもなく”教団”という災厄に巻き込まれる形で消滅してしまった…………」
「パワーバランスの崩壊、ですか。」
「ああ……帝国派と共和国派の議員達が失脚したのも同じことが言える。代弁者がいなくなったことで逆に両国に加えてメンフィルからの圧力や干渉が今まで以上に露骨になる可能性は高いだろう。――――だからこそ新市長は支援課に期待してるんだと思う。」
「なるほど………ようやく納得しました。エリィさんやランディ先輩、ティオちゃんやセティちゃん達が一時的に離れたのもそれが理由だったんですね?」
「ああ、新たな局面を前に可能な限り各方面と連携してより高度な活動が出来るようにする。俺も一課で研修させてもらって色々なことを叩き込まれたし……更に、人手が足りなかったから新たな戦力も要請したってわけさ。」
「ふふっ……呼んでいただけて光栄です。でも、そういえば……」
「ん、ど
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