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もう一人の八神
新暦77年
memory:10 師匠(せんせい)
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惑じゃなかったらなんですけど、また今みたいに魔法を教えてくれませんか!」

「私が?」

う、うーん…どうしたものかな……?
そこまで時間を取ってあげられるかわかんないし、何よりもそこまで教え方がうまいわけじゃないから……。

そんなことを思い浮かべていてもコロナの真剣な目を見てしまうと。つい、揺らいでしまう。

しばらく沈黙を続けていたけど、それはなくなった。

「はぁ…、わかったよ」

「じ、じゃあ!」

「うん、時間が空いてる時にアドバイスしてあげる」

コロナは胸の前で拳を握ってガッツポーズをして喜んだ。

「でもこれだけは言っておくね。申し訳ないけど九月くらいまであんまり時間を取れないかもしれないんだ」

「こっちからお願いしてるので……。でも全くじゃないんですよ、ね?」

「そりゃね。ただ忙しくなるからちょっと時間が合わないって意味だから。あとは、ヴィヴィオにこの事は秘密にしてくれない?」

「え…? どうしてですか?」

「そっちの方が面白いじゃん」

素で言うとコロナに乾いた笑いをされた。
前にもこんな返しをされたような……。

「ま、まあそんなわけだから」

「はい! これからよろしくお願いします! 師匠(せんせい)!!」

……え゛? 師匠って何でさ?

「コ、コロナ…師匠って……?」

「これから色々とろと教えていただくので!」

「ごめん、それやめて。変に背中がぞくぞくするから」

自分でそんな柄じゃないってわかってるから余計に!?



それから何とか一段落つけて創成の魔法について話した。

「練習法は何度も反復でいいんですか?」

「そうだね、そうすれば正確かつ素早くできるようになるから。あ、それからもう一つ、ゴーレムに名前を付けるといいかもね。ほら、他の魔法だってそうでしょ? 例えばなのはさんのディバインバスターとか」

心当たりがあるようで納得して頷いてくれた。

「師匠ってやっぱりすごいんですね」

「だから師匠はやめて。それにしてもやっぱりって?」

「ヴィヴィオがいろいろ話してくれてたんです」

ヴィヴィオがねぇ……一体どんなことをだろ?

「そのいろいろって教えてくれたりする?」

コロナはうっすらと赤くしながら苦笑を浮かべた。
話してくれないようでじっと見つめても目を逸らされる始末だった。
仕方なく諦めるとホッとしたようにため息を吐いた。

-side end-
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