新暦77年
memory:10 師匠(せんせい)
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
って?」
「私もコロナに似てるよ。私の場合は影によるゴーレム創成、というか簡易使い魔の創成及び使役だよ」
影の中から複数の黒ウサギを作りだす。
「すごい……」
「あはは、ありがと。ま、こんな感じだからなのはさんは似てるって言ったんだろうね」
コロナはウヌースたちに触れたり抱き着いてみたりしだし、その目は羨望を宿していた。
「んー…少しアドバイスをしようか」
そう言うとコロナは見上げてきた。
「コロナはさ、創成する時ってどんな感覚でやってる?」
「創成のときですか? えっと、魔力を込めて練った物質をハッキリしたイメージの形に変えるように気を付けてます」
「うん、その通りだね。でも私の場合はそれだけじゃ足りない。実はね、操作の魔法の延長線上に創成の魔法があると思ってるんだ。操作の魔法って自分の新しい腕を伸ばして対象の物を掴むような感覚で操るよね?」
コロナは何となくわかるようで頷いた。
「でもね、創成の魔法はその腕を見つめるんだ。直接物質に働きかけるんじゃなくて、その中にいる他人の自分を見つけることが大事」
「他人の自分……?」
「そう、自分だけど自分じゃないなにかが暗闇の中にいるはず。それを見つけて」
「暗闇の中に……」
「絶対に見つかるから」
聞いたことを実践しようと目を閉じて意識を集中させるコロナ。
どうやら私のように影で創成をやってみるみたい。
緊張しすぎているコロナに優しく語りかける。
「少し肩の力を抜こっか。……うん、そう、集中しすぎないで……おいでおいでって手招くように連れ出すの」
「(あっ……これまで感じたことのなかった感覚……。影をコントロールするんじゃなくて、影の中を手探りで探るような……)」
コロナにとってその時間はとても長く感じただろう。
この方法はまだこっちの世界への術式変換は行えていないのだから。
でも……コロナの魔力の流れと私のそれは酷似しているように感じる。
私の目の前にはゆっくりとだけど影でできたウサギのゴーレムが創成されだしている。
それは徐々に形を変え、そして……。
「で、できた! 私のゴーレム!」
「すぐに操作の魔法をかけて、そうじゃないと元に戻ってしまうから!」
「は、はいっ!」
緩んだ顔を引き締めて失敗しないように尚且つ素早く操作の魔法をゴーレムにかけた。
「できた……この感覚、なんとなくですけどわかった気がします!」
「うん、おめでとう。他にも方法があるんだろうけど私の場合はこんな感じかな」
嬉しそうに顔をほころばせるコロナ。
それを見ているとなにか聞きたそうな目で見つめ返してきた。
「どうかした?」
「あのですね、もしご迷
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ