第34話 救いたいって思うから......
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「どうして........相手の事を好きになっちゃうんだろうな」
「好きになるって......え?大くん好きな人いるの?」
「...........わかんねぇ」
俺は未遥を駅まで送り出した後、気が付けば穂乃果の家に転がり込んでいた。注文した餡蜜をまた口へ運ぶ。
「......ちょっと待ってて、もう店閉めるから」
「....わかった。」
話が長くなりそうだと穂乃果は判断したらしい。前に座っていた腰を上げて割亭を脱ぎ、暖簾を降ろしたり今日の売上や在庫をチェックしたりと、パタパタと忙しそうに店内を走り回る。
いつもならマイペースで天真爛漫な穂乃果が珍しく真剣な顔付きで働いていた。
(その顔....ライブ前の顔とそっくりだな)
なんて、呑気に思っていた。
再度、餡蜜を口に運ぶ。甘すぎない黒蜜の味が口の中を満たす。
「ごめんごめん、おまたせ〜」
「なんか忙しそうだな」
「まぁね。雪穂が今年受験生だからあまり無理させられないんだ」
雪穂....1度だけ会ったことのある穂乃果の妹だったか....
「.......」
「大くんは、その人の事が好き?」
唐突な穂乃果の質問
「.....ねぇ」
「ふぇ?ごめんね、もう一回お願い」
「......わかんねぇよ、わりぃか?」
恥ずかしいから小声で言ったのに穂乃果め....
そのイタズラな笑み、ぜってぇ聞こえてたろ。
「その子はどんな子なの?」
「....大槻未遥。彼女は人当たりのいい子で頭も良くて運動もできて....要は才色兼備で容姿端麗で....もう完璧な女の子だったよ。俺には勿体無いくらい。初めて未遥と話したのは高校生になってすぐ....食堂で─────」
─────第34話 救いたいって思うから....─────
一方その頃
「にゃ〜ん!!か〜よちんっ!あっそび〜に来たよ〜♪」
「凛っ、もう辺りが暗いんだから声のボリューム下げなさいよ」
「にゃはは〜ごめんね真姫ちゃん。でもかよちんの家に泊まるの久し
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