第34話 救いたいって思うから......
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になりたいの。だからお願い、1人で抱え込まないで?」
真姫ちゃんらしい、真姫ちゃんの優しさ。その優しさに甘えて見聞きした事を相談して大地さんの力になりたい。だけどこれはただのお節介じゃないかって薄々感じてた。
だから、真姫ちゃんごめんね?
「大丈夫だよ真姫ちゃん。私は何も悩んでないよ」
「花陽!どうして─────」
「その代わり、私の独り言を聞いて欲しいな」
「......?」
「私にはね....好きな人がいるの」
真姫ちゃんはちょっと驚いたような顔つきになる、けどすぐに表情を戻して私な話すのを待ってる。
「その人は自分より他人の事を優先してばかりで損をするくらい優しい、優しい人なの。自分にだってやりたい事があって、夢があるのにそれでもどんな時でも助けてくれる.....私の”ヒーロー”かな。『花陽の笑顔も.....俺が守る』って言ってくれた時のその人の笑顔が見たくて、笑って欲しくて私も頑張ろうって思う気持ちになれたの」
コップの縁をなぞりながらぽつりぽつりと呟く。ちょっと恥ずかしいけど...それが私の本心だから。
「でも今日ね。その人が苦しんでるって事を知っちゃったんだ。」
「苦しんでる?」
「うん。みんなの前では何の迷いも無く笑って叫んで引っ掻き回してるのに裏では実は辛い事に耐えながら戦っているんだって知っちゃったの。」
「それって.......まさか?」
多分真姫ちゃんも誰の事を指してるのか想像したんだと思う。
真姫ちゃんは髪をくるくると触りながら「それで、どうしたの?」と催促する。
「私はその人が苦しんでいるのを見たくないの。泣いて欲しくないの。でもやっぱりその人自身の問題だからお節介かなって思うし、何をしたらその人の助けになるかわかんなくて.....」
うっすらと目尻に溜まる涙。助けたくてもお節介ではないかと不安になる葛藤。何よりも浮かんでしまう大地さんの苦しそうな姿。
「なら、聞いてみればいいじゃない。今私がしたように」
「え?」
「私が貴女の相談に乗ろうとしたように貴女もその人の相談に乗ればいいじゃないの」
それは至極簡単なこと。だけど、
「だけど....迷惑じゃないかな?」
「花陽は私が相談に乗ろうって言った時迷惑だって思った?」
「.....ううん。むしろ嬉しかったよ」
ならそういう
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