第34話 救いたいって思うから......
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今行くからー」
そう言って花陽は受け取ったお菓子を片手にキッチンへ向かう。
「.........今日は寝られそうにないわ」
くるりと反転して靴を揃え、相変わらず適当に放り投げた凛のスニーカーも一緒に揃える。
まずは凛に説教が先ね、と私は思った。
「真姫ちゃんそこのお醤油取って」
はい、と花陽に『減塩』と書かれたボトル型の醤油を渡す。醤油と言えば1?のボトルから小さめの醤油瓶に詰め替えて使用するイメージが強いけど、どうやら最近はこうした500mlのボトルから直接使うものもあるのね。
しかも『減塩』って書いてて高血圧にもならないように配慮されているあたりちょっと感心。
「今日も美味しいよかよちん♪」
「ありがと♪あ、凛ちゃんほっぺに胡麻がついてるよ」
「ヴェェッ!かよちんとって〜」
「ちょっと凛!今の私の真似したでしょ!!止めてくれる!?」
「オコトワリシマス♪」
「り〜ん〜!!」
最近凛がやたら私の真似をする事が多くなった気がする.....
まったくムカつくわね。「真似するのは良くないよ〜」と花陽は凛を止めようとするも今日に限って凛がいつも以上のテンションなので止められないでいる。
凛に対する怒りを何とか堪えようと花陽の作ったレタスと”みかん”とわかめのサラダに手を伸ばす。
─────そう、”無意識に”。
口に入れた途端、わかめとレタスのシャキシャキとした新鮮な食感に、柑橘類独特の酸味が広がる。
......柑橘類?酸味?
直後、
「っ!!げほっげほっ......」
「ちょっと真姫ちゃん!?大丈夫?」
「あ、もしかして真姫ちゃんみかん食べちゃったのかにゃ?」
気付いた時には遅かった。そう....私の唯一苦手な食べ物は”みかん”
昔からみかんだけは食べられない。八朔とかオレンジは食べられるのに何故かみかんだけは私の体が受け付けない。
「だ、大丈夫、よ。水貰える?」
「ごめんね?私真姫ちゃんがみかん食べられないの知らなかったから」
水を受け取り口の中の蟠りを一緒に
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