第35話 残り十センチの勇気
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テンション上がって盛り上がり、『出場に向けて頑張ろう』と意気込みを入れるはずなのに、妙にしんみりしてしまった。
────花陽は一体何を悩んでいるのだろうか
この時点で俺が知りたいことはそこだ。
電話をくれた時の彼女はいつも通り.......いや、アイドル語る時の花陽だった。まぁそれも”いつもの”彼女に変わりはない。それから今日この時間に至るまでに何かあった。そうとしか考えられない。
(ラブライブ!のこと、未遥のこと、恋のこと........そして)
──────記憶のこと
「っ!!!!」
瞬間、俺の脳に電撃が迸った。
それと同時に花陽が今考えてる事、何かに躊躇っていること、悩んでいること
彼女の心情がなんとなくわかったような気がした。
まさか.........まさか
そうだ。
よく考えてみろ。未遥と話してた最中に花陽からの電話があり、それに嫉妬した未遥にスマホを取られた。
この時俺はてっきり未遥は通話を切ったもんだと思い込んでいた。だから考えなかったんだ。
──────花陽に通話の内容を聞かれてしまっている。
というあるかもしれない仮定に。
つまり、俺にとって誰にも知られたくない”あの事”も当然聞かれている可能性がある。
.......そう、記憶喪失という俺の秘密を。
「大くん?どうしたの?顔真っ青だけど」
「え?あ、あぁ。気にするな。それよりあいつら戻ってくる気配あるか?」
俺の質問に海未が反応した。海未は部室の扉を開けて上半身だけ外に出して様子を伺う。
扉を閉めた海未の答えは、
「来ません......ね」
「そう、か」
このままでいいのか?と思った。
このまま一人で悩ませていいのか?しかも花陽の悩んでることは自身のことではなく俺の事であんな辛そうな表情
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