第35話 残り十センチの勇気
[12/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
為になると信じて私は気持ちをぶちまける。
「大地の何を知ったのかは私にはわからない。でも知ったから彼が苦しんでいることに気付いた。救いたいって!助けになりたいって!だったら行動を起こしなさいよ!損得なんて関係ないわ!思ったことに素直になりなさい?」
「真姫、ちゃん」
「貴方ならできるわ、私がこう言ってんのよ?」
涙目で私を見る花陽をそっと撫でる。
まだ少し肩は震えているものの、昨日の会話した時と同じいい目をしてると思う。
すっと、涙を拭った花陽は、
「真姫ちゃんありがとう、私..........私」
「まだその先のセリフは早いわよ」
花陽のぷっくりとした唇を人差し指で塞ぐ。
「そのセリフは........後ろの彼と話をしてから。それでも遅くはないわよ?」
陰から私たちのやり取りをこっそり見ていた、花陽をここまで悩ませていた張本人が姿を見せた。
「タイミング悪かったな」と言いながら階段を上る。
「よくわかんねぇけど......まぁ、十中八九俺のせいっぽいな」
「そ、そんなことは────」
「勿論あなたのせいよ、まったく」
「ちょっ、真姫ちゃぁ〜ん!?」と背後で花陽が遮られたことであたふたする。
「さて、邪魔者はお暇させてもらうわ」
「........あぁ、すまんな」
私はそのまま階段に足を運び、大地とすれ違う。
........えぇ、これでいい。
私の出番は終わった。あとは
(花陽、しっかりしなさいよね?)
親友に向けて私は激励の言葉を胸の奥から送った。
花陽はこれから、一つの大きな”壁”に立ち向かう........
「あのね大地さん、聞いてほしいことがあるんです」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ