第32話 過度の友情(前編)
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俺の手元にスマホが無かった
「あれ?スマホは?」
辺りをぐるりと見渡し、そして見つけた
「......未遥、それは返してくれないか?」
肩をわなわなと震わせ、表情を失った未遥がそこには立っていた
明らかにいい雰囲気ではない
怒っているようにはみえないけど.....
「未遥」
「やだ」
「未遥....返してくれないか」
「やだ!!!!!」
初めて聞いた未遥の大声
あまりの出来事に一瞬放心になってしまった
スマホはまだ通信がつながっている為
『あれ?大地さん?大丈夫ですか?』と花陽の声が微かに聞こえる
「どうしたんだよ未遥....」
暫く.....無言が続いた
未遥の気持ちがわからない
どうしてそんな言動を取るのか
どうしてそんなにも悲しそうな表情をしているのか
どうして空虚な目をしているのか
俺にはわからない
ただ一つ言えることは
今ここで電話を取るべきじゃなかった
そして
「なんで!!!なんでなの!!!!!なんで今ここに私がいるのに他の女の子と楽しそうに電話するの!?やめてよ!お願い!お願い!私を見て!!!私だけを見ててよ!!!!」
悲痛な叫びが俺の胸と、電話先の花陽、部屋いっぱいに突き刺さった
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