アインクラッド編
旅立ちの決意
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するか考えているようだ。
フィールドに出るか、ここに留まり続けるか。
アスカのように一日で決めることの方が難しい。
多くのプレイヤーは何日間もかけて、答えを出すのだろう。
自分の命の安全と、ゲーム攻略によるこの世界からの脱出を天秤に掛けながら。
〈手鏡〉によってリアルの容姿を再現されたので、失礼な言い方だが、皆が平凡な容姿になっている(戻っている?)し、不思議なことに男女比まで変化している(アスカはネカマの存在を知らない)。
アスカのほうを見るプレイヤーがいる。
それは、1人でいるプレイヤーが珍しいせいか、はたまたアスカの圧倒的な容姿故か。
注目を浴びることを避けて、アスカは路地裏に入る。
そのまま、マップを頼りに西門向けて歩き、途中で見かけたNPCショップで、丈の長い茶色の地味なコートといくつかのHP回復用ポーションを買い込み、昨日の戦闘で耐久値の減った細剣の研磨も済ませる。昨日入ったお店よりかなり安いお店だったので予定よりも多くのアイテムを購入することができた。
準備を全て終えて、西門にたどり着く。
開け放たれた門の外にフィールドが無限のような広がりを見せている。
思わず足が竦み、深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。
――負けられない。この世界には。たとえ死ぬことになろうとも――
アスカは大きな一歩を踏み出してフィールドに出る。
開けた視界には昨日と同じ光景が広がる。
昨日は無限の広がりを思わせた壮大な風景も、今となっては終わりの見えない迷路といった感じだ。
東の空から夜明けの日差しが差し込もうとしている。
行く当てなど無いが、全力で前に進み、出てくるモンスターを狩り尽くすだけだ。
遙か先にうっすらと見える第2層の底部に繋がっている巨大な塔――茅場が迷宮区と呼んでいた建物――を目標に歩み出し、徐々にスピードを上げていき、走り出す。
目の前にある道をただまっすぐ走り続ける。
すぐにモンスターがポップする。
昨日何匹も倒した青いイノシシと違い、オオカミのような見た目のモンスターが1
体、現れる。
――まずは1匹目。
恐れも恐怖もなく、オオカミへと突っ込みながら左腰から素早く細剣を引き抜く。
向こうのアグロレンジに入ったのか、オオカミが牙の生えた口を大きく開きながら突っ込んでくる。
衝突するまであと5メートルのところでオオカミが跳躍、牙を突き刺そうとしながら飛びかかってくる。その姿に体が竦むこともなく、アスカもソードスキルを発動。
細剣単発攻撃〈リニアー〉。
「・・・・はあぁっっ!!」
はき出した呼気とともに全力でオオカミに細剣を突き込む。
大きく開かれていた口へと突き込まれた細剣は勢いよくオオカミを貫き、クリティカルヒットによって一撃でHPバーが消滅。
死ぬ間際に甲高い
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