第3章:再会、繋がる絆
第53話「堕ちた天巫女」
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いえば、かつて椿が言ってたな。司さんの魂はどこか歪だって。...辛い過去があって、それを抑え込んでいたのなら、攻撃的にはならない...。)」
つまり、あれは一種の防衛機能とも言えるのか?
一定以上近づけば、排除しようと瘴気が襲い掛かる...そんな感じの。
「む、村が...。」
「ど、どうしてこんな事に...。」
ふと、聞こえてきた声に思考を中断する。
見れば、そこには集落の方角を見て嘆いている人達がいた。
「天巫女様は...天巫女様はどうしたんじゃ...。」
「っ.....。」
村長である老人がそう言った時、僕は何も言えなかった。
「...彼女は...ジュエルシードの力...いや、それによって増幅された負の感情に...呑み込まれました。...今、彼女に自我はありません。」
「っ...なぜ、どうしてそうなった!!そなたらが付いていながら!」
「っ....すみません....。」
憤るように声を張り上げる老人に、僕は頭を下げるしかなかった。
...僕らだって司さんがああなったのを認めたくなかった。
だけど、集落の人達にとっては、僕らがいたから伝説上の存在である司さんが逆に災厄を振りまく存在になってしまったと思ってしまっているだろう。
...僕らのように、認めたくないから。
「そなたらに任せたのが間違いじゃった...!このままでは、儂らは...世界は...!」
「....クロノ。」
怒りよりも、これからの事で絶望しているのだろう。
老人は頭を抱えて蹲る。皆、あの瘴気を見てどうしようもないと思っていた。
だからこそ、指示を仰ごうと僕はクロノに声を掛ける。
「ああ...!なんとしてでも止める。優輝、少しでもいい。何かあの瘴気の情報はないか?」
「推測も混じるが...いいか?」
どんな些細な情報でもいいらしい。クロノはすぐに頷いた。
「...まず、あれがジュエルシード25個分の魔力なのは分かる。そして、おそらく今は一種の防衛機能と化している。一定の距離まで近づけば、瘴気の触手による攻撃をしてくる。」
「なるほど...。だからこっちに被害がないのか。」
「次に防衛機能による攻撃の威力だが...。速い時は途轍もなく速い。おそらく、フェイトでも回避不可能な速さだ。それに、威力も半端じゃない。並大抵の防御魔法じゃ、あっさり破られる。」
ぶっちゃけて言えば、束で掛かってどうにかなるか分からない相手だ。
そうクロノに伝えると、クロノは苦虫を噛み潰した顔をしながらも指示を出す。
「優輝...その攻撃は、対処可能か?」
「...至近距離は無理だな。四方八方から囲まれて袋叩
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