第3章:再会、繋がる絆
第53話「堕ちた天巫女」
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=out side=
「っ...!あれは....!」
「...早く戻ろう。村が危ない...!」
森の中、猪擬きを担いで移動していた二人の男女が、ある方向を見てそう呟く。
...その方向には、瘴気のような魔力が迸る集落があった。
「急げ...!あの魔力...どこか見覚えがある...!」
「確か...あれって....!」
「ああ。....感じられるのは邪悪なモノしかないけど、あの魔力は間違いない....ジュエルシードだ...!あの時、あいつを撃退するのに感じた魔力と、同じ....!」
二人は思い出す。...魔法を使う切っ掛け、そしてこの世界で暮らす切っ掛けを。
「それが、あの規模...!」
「っ.....!」
二人は駆ける。災厄が渦巻く集落へと。
=優輝side=
「司さん....!」
魔力で視力を強化して、瘴気の中心にいる司さんを見る。
...司さんは目を開いてはいるが、まるで意識がないように目に光が灯ってなかった。
「っ、全員避けろ!!」
しかも、そんな悠長に見ている暇はなかった。
魔力の触手が僕らに襲い掛かり、全員が散り散りに避ける。
その中でも、クリムを抱えていた葵は掠ってしまったのか、大きく吹き飛ばされる。
ついでにクリムも葵より吹き飛ばされ、森の中へ消えた。
「くっ....!」
避け、切り払い、逸らして凌ぐ。
だが、量も質も対処不可能に近い。
フェイトや奏も防戦一方で、椿でさえきつそうだった。
「(距離が近すぎる...!ここは撤退したいけど...!)」
攻撃が苛烈すぎて撤退さえできそうにない。
何か仕掛けて隙を作るしか...。
「穿て...“呪黒剣”!!」
「っ!?葵!?」
瘴気に向けて黒い剣が次々と放出される。
そんな攻撃をしたら、反撃が....!
「葵!避けっ...!」
吹き飛ばされた事で僕らよりも少し離れた所にいる葵に、瘴気の触手が迫る。
だけど、葵は少し笑みを浮かべるだけで、避けようとしない。
「っ...!“アォフブリッツェン”...シュナイデン!!」
咄嗟に斬撃を飛ばし、瘴気の触手を断とうとする。
だが....。
「(一瞬...間に合わなかった...!?)」
「葵!?」
着弾まで一瞬遅れてしまい、椿は悲痛の声を上げる。
「っ....!!」
―――ギギギギギギギギギギィイン!!
さらに、瘴気の触手が僕に向かってきて、それの対処に追われ
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