第31話 Past Memory 4
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(私の事よく見てるのね...)」
「うん?......じゃあ次は俺か」
「そうだね、大地くんはどんな秘密があるのかな?」
未遥の隣にどかりと座り、買ってきた缶コーヒーを口につけて苦い液体で喉を潤す
「ふぅ.....」と息をついてから
「俺は.......記憶を失ってるんだ」
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寒さが厳しくなり、昨日の夜からしんしんと降り積もる雪はとても神秘的で美しかった
今日は午前中は降る確率は低いらしいが、午後から降るらしい
と言っても大雪にはならないから天候としては絶好だ
「よし、んじゃあ行きますかな」
いつもより服装に気を使い、整髪剤で髪を整え、靴も外出用のスニーカーを履いて家から飛び出す
珍しく胸がウキウキとしていた
「おはよう大地くん♪」
「おはよう未遥」
今日はクリスマスイブ
数週間前に未遥から誘われ、一緒に遊ぼうと言われた
俺と未遥は恋人同士ではない
だけど、俺にとって彼女の存在は大きなものであり
また未遥にとって俺の存在は無くてはならないものとなっていた
表面的なものは理解出来ていても俺は彼女の内面的なものは全て理解できたとは思っていない
でも、笑って、泣いて、時には喧嘩して、助け合い、励まし合い
そうやって信頼を築き上げてきた
同じ時間、同じ場所で過ごしてきた俺と未遥に《嘘》というものはない
きっとそれが《恋》なんだと未遥は気がついていた
前の彼氏がどうこうじゃなく
今、彼女の目の前で一緒に笑い合う大地こそ、今の彼女の原動力なのだ
だから未遥はこの大切な日を彼と過ごそうと決めたのだった
「未遥のその服、似合ってるよ」
「うん♪ありがと。大地くんのその服、シンプルな感じだけど大地くんが着ると全然違うね!かっこいいよ」
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