第31話 Past Memory 4
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のようにも思えた
「昔ね.....付き合ってた人がいたの」
「付き合ってた.....過去形か」
「うん、付き合い始めた頃は心配性でいつも私のことを気にかけてくれてたの。『具合悪くないか?』とか『無理するなよ』とか。私自身少し我慢して溜め込む性格だからその人のおかげで溜め込む事なく外に分散してスッキリしたりできたの」
「なら、よかったじゃないか.....」
「でもね、ある日突然態度が変わったの」
未遥の表情は前髪で顔が隠れてしまいよくわからない
だけど、肩が僅かながら震えている
「なんていうのかな.....私に関心が無くなった、そんな感じだったの。何があったのか聞こうとしても『お前には関係ない』ってばかり言って。そしてわかったの」
「な、何が?」
「........他の女と付き合ってたって事を」
「......」
「もちろんその事を聞いてみたよ。説明してって頼んだら、『お前、すごく重たいんだよ!』って言われちゃった....てへへ〜」
お茶目っぽく笑っているが目だけは悲しそうな....悲愴に溢れた目をしていて、俺自身なんて声をかけていいのかわからなかった
「私はただ大切にしていたかっただけなの。大好きなその人の傍にいたい、励ましてくれる、心配してくれる彼を.......」
話の続きは涙へと変わり、先を聞くことは無かった
ただ無言で頭をゆっくり撫で、泣き止むのを待っていた
俺はソイツのことを知らない
だからなんて声をかけてやればいいのかなんてわからない
今俺が出来ることは彼女の泣いている姿をただ黙って撫でてあげることだけだった
「ぐすっ....えへへ、ごめんね?泣き顔見せちゃって」
暫くしていつもの未遥に戻り、近場の公園のベンチに座らせる
「いや、未遥の泣き顔可愛かったから問題ない。むしろもっと泣いていいんだよ?」
「まったく....変なこと言わないでよね」
未遥は少しばかり頬を染めて呟く
「ほれ、飲み物だ」
俺は自販機で買った缶ジュースを未遥に投げる
それを上手くキャッチした
「あ、私の大好きなぶどうジュース!なんでわかったの?」
「お前、いつも飲んでる飲み物がぶどう系だったから」
「そ、そう.....
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